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間々
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あひだ/\
ふりがな文庫
“
間々
(
あひだ/\
)” の例文
平八郎父子が物を言ひ掛ければ、驚いたやうに返事をするが、其
間々
(
あひだ/\
)
は焚火の前に
蹲
(
うづくま
)
つて、
現
(
うつゝ
)
とも
夢
(
ゆめ
)
とも分からなくなつてゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
丁度
祭日
(
まつりび
)
であつたその夕方に、綺麗に
装
(
よそほ
)
はれた街の幼い
男女
(
なんによ
)
は並木の
間々
(
あひだ/\
)
で鬼ごつこや何やと
幾団
(
いくだん
)
にもなつて遊んで居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その
間々
(
あひだ/\
)
から射照らす舊暦八日の月は、宿とさし向つてる病院のペンキ塗りの高樓にその光りを鋭くぶちつけて、寒い風も透かして見える樣だ。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
連れて参りますが、
間々
(
あひだ/\
)
では一月もお寺に参らずにゐる事がございますの。子供だけは遣りますが。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
御米
(
およね
)
はたゞ
結構
(
けつこう
)
で
御座
(
ござ
)
いますとか、
御目出
(
おめで
)
たう
御座
(
ござ
)
いますとか
云
(
い
)
ふ
言葉
(
ことば
)
を、
間々
(
あひだ/\
)
に
挾
(
はさ
)
んでゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そこら
中
(
ぢゆう
)
夜具箪笥風呂敷包の投出されてゐる
間々
(
あひだ/\
)
に、砂ほこりを浴びた男や女や子供が寄りあつまり、中には怪我人の介抱をしたり、または平気で物を食べてゐるものもある。
にぎり飯
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
列車が動き出すと共に
直樣
(
すぐさま
)
自分は止せばよかつたと後悔した。丁度夕日の悲しく照す品川の入海と水田の
間々
(
あひだ/\
)
に冬枯れした雜木の林をば、自分は遣瀬のない心持で眺め遣つた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
青年作家の文章が丁度西洋人の日本語を口真似する手品使ひの
口上
(
こうじやう
)
のやうに思はれ、又日本文を読み得る或外国人には矢張り現代の青年作家が日本文の
間々
(
あひだ/\
)
に挿入する外国語の意味が
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鉄橋と
渡船
(
わたしぶね
)
との比較からこゝに
思起
(
おもひおこ
)
されるのは立派な
表通
(
おもてどほり
)
の街路に対して其の
間々
(
あひだ/\
)
に隠れてゐる路地の興味である。擬造西洋館の商店並び立つ表通は
丁度
(
ちやうど
)
電車の往来する鉄橋の
趣
(
おもむき
)
に等しい。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
空には朝も
昼過
(
ひるす
)
ぎも
夕方
(
ゆふがた
)
も、いつでも雲が多くなつた。雲は
重
(
かさな
)
り合つて絶えず動いてゐるので、時としては
僅
(
わづ
)
かに
其
(
そ
)
の
間々
(
あひだ/\
)
に
殊更
(
ことさら
)
らしく色の
濃
(
こ
)
い青空の残りを見せて置きながら、
空
(
そら
)
一面に
蔽
(
おほ
)
ひ
冠
(
かぶ
)
さる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
々
3画
“間々”で始まる語句
間々田