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鍵屋
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かぎや
ふりがな文庫
“
鍵屋
(
かぎや
)” の例文
湖畔にこういう突風が起りつつあることを知るや知らずや、道庵先生は抜からぬ
面
(
かお
)
で、大津の旅宿
鍵屋
(
かぎや
)
の
店前
(
みせさき
)
へ立現われました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それから、半次といふ男は、良い男ですね。威勢がよくて、男つ振りがよくて、——
鍵屋
(
かぎや
)
の手代の喜三郎も良い男だが——」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
だんながたはご商売がらもうご存じでごぜえましょうが、日本橋の
桧物町
(
ひものちょう
)
に
鍵屋
(
かぎや
)
長兵衛
(
ちょうべえ
)
っていうろうそく問屋があるんですが、お聞き及びじゃござんせんか
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それでもまたミケンジャクや烏万燈等と共に賞美され、私たちの子供の時分には、日本橋横山町二丁目の
鍵屋
(
かぎや
)
という花火屋へせっせと買いに通ったものである。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
それと同時に、
玉屋
(
たまや
)
鍵屋
(
かぎや
)
の声々がどっと起る。大河ぶちの
桟敷
(
さじき
)
を一ぱいに埋めた見物客がその顔を空へ
仰向
(
あおむ
)
ける。顔の輪廓が
暫
(
しばら
)
くのあいだくっきりと照らし出される。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
此地は芭蕉翁故郷塚、伊賀越の敵討で名の高い
鍵屋
(
かぎや
)
の辻など心に留むるかたぞ多し、私はこゝに一夜二夜を明し、翁のことどもを忍びつゝ俳人ならぬ俗人の俗膓を洗ひ
伊賀、伊勢路
(旧字旧仮名)
/
近松秋江
(著)
日本の花火に、鮮麗な赤色光が一般に見られ出したのは、明治八年に洋行して
大火傷
(
おおやけど
)
を負って帰朝した両国の
鍵屋
(
かぎや
)
弥兵衛が
齎
(
もたら
)
した研究の後である。——それまではなかった。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ならば御承知じゃ。右側の二軒目で、
鍵屋
(
かぎや
)
と申したのが焼残っておりますが。」
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの円筒形がその筒の軸と直角な軸の周囲に廻転しながら昇るという事と関係があるらしいとは思うが、本当の事は
鍵屋
(
かぎや
)
の職人にでもよく聞いてみた上でなければ判断が出来ない訳である。
雑記(Ⅱ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
鍵屋
(
かぎや
)
の黄金が急所々々にバラ撒かれた上、死んだ者に口が無く、五百兩の行方さへ、突き留める方法はありません。
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これより程遠からぬところに
鍵屋
(
かぎや
)
の
辻
(
つじ
)
というのがある、鍵屋の辻へ行こう、音に聞く荒木又右衛門が武勇を現わしたところじゃ、そこで一番、火の出る斬合いをやって
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの、
小女
(
こおんな
)
が来て、それから按摩の
顕
(
あらわ
)
れたのは、
蔵屋
(
くらや
)
と言ふので……今宿つて居る……
此方
(
こなた
)
は、
鍵屋
(
かぎや
)
と云ふ……此の
峠
(
とうげ
)
に
向合
(
むかいあ
)
つた二軒旅籠の、峰を
背後
(
うしろ
)
にして、
崖
(
がけ
)
の
樹立
(
こだち
)
の
蔭
(
かげ
)
に
埋
(
う
)
まつた
寂
(
さみ
)
しい家で。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
伊賀の上野の
鍵屋
(
かぎや
)
の
辻
(
つじ
)
というのは、かの荒木又右衛門が
手並
(
てなみ
)
を現わした
敵打
(
かたきう
)
ちの名所。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「旗本や御家人の
粒
(
つぶ
)
の小さいのには、工面のよくねえのが多いから、こつそり
繁昌
(
はんじやう
)
してゐるのは、質屋と金貸しだ。大きいのは九丁目の
鍵屋
(
かぎや
)
金右衞門から、小さいのは、
唐辛子屋
(
たうがらしや
)
のケチ兵衞に至るまで」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鍵
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“鍵”で始まる語句
鍵
鍵盤
鍵穴
鍵形
鍵束
鍵孔
鍵裂
鍵鼻
鍵惣
鍵番