“玉屋”の読み方と例文
読み方割合
たまや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それと同時に、玉屋たまや鍵屋かぎやの声々がどっと起る。大河ぶちの桟敷さじきを一ぱいに埋めた見物客がその顔を空へ仰向あおむける。顔の輪廓がしばらくのあいだくっきりと照らし出される。
そうして当時の玉屋たまやの店へはいって父が時計か何かをひやかしたと思われる。とにかくその時の玉屋の店の光景だけは実にはっきりした映像としていつでも眼前に呼び出すことができる。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)