醤油屋しょうゆや)” の例文
節季はむろんまるで毎日のことで、醤油屋しょうゆや、油屋、八百屋やおや鰯屋いわしや乾物屋かんぶつや、炭屋、米屋、家主その他、いずれも厳しい催促さいそくだった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
どうせすぐ近所に祈祷きとうがもれ聞こえるような人里の中で彼らは集まりはしませんからね。いつもたいてい茂木のはずれにある醤油屋しょうゆやの庫を
醤油屋しょうゆやというのは、むかしからあるみせで、この近在きんざい人々ひとびと得意とくいとしていました。おじいさんもごろっているので、そのいえたずねたのであります。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
客の榊というは、三島の方にある大きな醤油屋しょうゆやの若主人であった。不図ふとしたことから三吉は懇意に成って、この人の家へ行って泊ったことも有った。十年も前の話。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あら、へんなの。だってわたし、『草の実』の中の綴方つづりかたを、感心して、うちの組に読んで聞かしたりしたわ。『麦刈むぎかり』だの、『醤油屋しょうゆや煙突えんとつ』なんていうの、うまかった」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「あんたは、また、どうしてこんなにおはやく。」と、われたので、おじいさんは、まち醤油屋しょうゆやでラジオをいて、かえりにひどい吹雪ふぶきじこめられたことをあるきながら物語ものがたったのです。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、醤油屋しょうゆや主人しゅじんつくった自慢じまんきくはなをながめたり、かごにっているこまどりのこえをきいたり、また、たるをあらうてつだいなどをしたりして、よるになるのをっていました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)