酒井さかい)” の例文
今あの通り酒井さかいの人数が三田みたの薩州屋敷を焼払やきはらって居るが、れが何でもない事で天下奉平たいへい、安全の世の中になるまいものでもない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「老臣がたは城へたてこもって防ぎ戦うがよろしいという御意見のようでござります。本多ほんださま酒井さかいさまはおし出して決戦するとおおせです」
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あなの中に待ちぶせしていたのは、少年探偵団の中でも、もっとも勇気があり、力の強い、中学二年生の山本やまもと酒井さかい清水しみずの三少年でした。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは徳川方とくがわがたの手のもので、酒井さかい黒具足組くろぐそくぐみとみえた。忍剣は、すばやく伊那丸を岩かげにかくして、じぶんは、鉄杖てつじょうをこわきにしごいて、敵を待った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この寛永の大造営には、酒井さかい備後守びんごのかみ永井ながい信濃守しなののかみ井上いのうえ主計頭かずえのかみ土井どい大炊頭おおいのかみ、この四名連署の老中書付、ならびに造営奉行秋元あきもと但馬守たじまのかみのお触れ書が伝えられている。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
児玉こだま氏は越前国敦賀つるがの城主酒井さかい右京亮うきょうのすけ忠毗ただやすの家来某のむすめであった。二百石八人扶持の家である。与四郎の文内に弟があり、妹があって、彼を宗兵衛そうべえといい、これ岡野おかのといった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今日吾知免こんにちわれめんをしる亦将騎鶴遊またつるにのりてあそばんとす上帝賚殊命じょうていしゅめいをたまう使爾永相休なんじをしてながくあいやすましめんと。」「年浪としなみのたち騒ぎつる世をうみの岸を離れて舟でむ。」石居は酒井さかい石見守いわみのかみ忠方ただみちの家来屋代やしろ某のじょめとって、三子二女を生ませた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
酒井さかいの人数が三田みたの薩州の屋敷を焼払おうとう、ドウもそりゃ大騒動、戦争で御座ござると云うから、私も驚いて、ソリャ少しも知らなかった、成程ドウも容易ならぬ形勢だが、れは夫れとして
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)