トップ
>
道灌山
>
どうかんやま
ふりがな文庫
“
道灌山
(
どうかんやま
)” の例文
「あ、ちょっと待った八。それからもう一つ、あの日
道灌山
(
どうかんやま
)
へ、大徳屋徳兵衛は
夏羽織
(
なつばおり
)
を着て来なかったか、それを訊いて来てくれ」
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お宅は
下根岸
(
しもねぎし
)
もズッと末の方で
極
(
ご
)
く閑静な処、屋敷の
周囲
(
まわり
)
は
矮
(
ひく
)
い生垣になって居まして、其の外は
田甫
(
たんぼ
)
、其の
向
(
むこう
)
に
道灌山
(
どうかんやま
)
が見える。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かくてじゅうぶんに満腹するほどとってしまうと、ふたたび主従は
道灌山
(
どうかんやま
)
裏の恒藤権右衛門宅に向かって、
駕籠
(
かご
)
を走らせました。
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いつか
道灌山
(
どうかんやま
)
へ夏目先生と二人で散歩に行った時、そこの崖の上で下の平野を写生していた素人絵かきがあった。
中村彝氏の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
田端
(
たばた
)
だの、
道灌山
(
どうかんやま
)
だの、
染井
(
そめい
)
の墓地だの、
巣鴨
(
すがも
)
の監獄だの、
護国寺
(
ごこくじ
)
だの、——三四郎は
新井
(
あらい
)
の
薬師
(
やくし
)
までも行った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
私はまえに実さんやはじめさんなどと、
鶯谷
(
うぐいすだに
)
から上野の山を抜けて
道灌山
(
どうかんやま
)
まで遊びに行ったことがある。かえりには
日暮里
(
にっぽり
)
から三河島を通って帰ってきた。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
目黒の茶屋に俳句会を催して栗飯の腹を
鼓
(
こ
)
する楽、
道灌山
(
どうかんやま
)
に武蔵野の広きを眺めて
崖端
(
がけはな
)
の茶店に柿をかじる楽。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また少しく
小高
(
こだか
)
い処は直ちに
峨々
(
がゝ
)
たる山岳の如く、
愛宕山
(
あたごやま
)
道灌山
(
どうかんやま
)
待乳山
(
まつちやま
)
なぞと呼ばれてゐる。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
移っていった先は
道灌山
(
どうかんやま
)
の近くにあった、後ろは上野からの丘陵の起伏が延びているし、前は草原と田と雑木林がうちわたして、晴れた日には筑波や日光の山々が鮮やかに見える。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
真近い
道灌山
(
どうかんやま
)
の聴音隊からも、ただいま敵機の爆音が入ったとしらせてきた。敵機は折からの闇夜を利用しいつの間にか防空監視哨の警戒線を突破し、
秩父
(
ちちぶ
)
山脈を越えて侵入してきたものらしい。
空襲下の日本
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「不動様で思い出したが、今日は
道灌山
(
どうかんやま
)
に東海坊が火伏せの
行
(
ぎょう
)
をする日ですよ。大変な評判だ、行ってみませんか」
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
当時の名所というのがまず第一に
道灌山
(
どうかんやま
)
、つづいては上野山内、それから少しあだっぽいところになると
花魁
(
おいらん
)
月見として今も語りぐさになっている
吉原
(
よしわら
)
。
右門捕物帖:18 明月一夜騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
また少しく
小高
(
こだか
)
い処は直ちに
峨々
(
がが
)
たる山岳の如く、
愛宕山
(
あたごやま
)
道灌山
(
どうかんやま
)
待乳山
(
まつちやま
)
なぞと呼ばれている。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
道灌山
(
どうかんやま
)
の下に「植茂」という植木屋があり、その隠居所におまさという召使がいます、これは雇人でなにも知らない人間ですから、まだそこにいるとしてもお構いなしにはからって下さいまし。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大「うん、手前は之を持って、
予
(
かね
)
ての通り
道灌山
(
どうかんやま
)
へ
往
(
い
)
くのだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
与次郎が、ここを抜けて
道灌山
(
どうかんやま
)
へ出ようと言い出した。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは谷中といっても
道灌山
(
どうかんやま
)
に近く、寺というよりは無住の庵室で、木立の中に置き忘れたまま、近所の百姓が物置に使っているような荒れ果てた建物でした。
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
上野から
道灌山
(
どうかんやま
)
飛鳥山
(
あすかやま
)
へかけての高地の側面は崖の
中
(
うち
)
で最も偉大なものであろう。神田川を限るお茶の水の絶壁は元より
小赤壁
(
しょうせきへき
)
の名がある位で、崖の最も絵画的なる実例とすべきものである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それゆえにこそ、花のたよりも上野、品川、
道灌山
(
どうかんやま
)
からとうに八百八町を訪れつくして、夜桜探りの行きか帰りか、浮かれ歩く人の姿が魔像のような影をひきながら、町は今が人出の盛りでした。
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
こんどの家は
道灌山
(
どうかんやま
)
の下で、大きな植木屋の隠居所であった。それは、佐吉が捜したもので、おしのは京橋の呉服屋の娘、病後の保養にといって借り、佐吉は店のかよい番頭ということにしてあった。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
きたる七日正午、首を洗って
道灌山
(
どうかんやま
)
にきたりわれらの
誅
(
ちゅう
)
りくをまつべし。もしおくれてきたらざるにおいては、大腰ぬけのウジ虫太郎と改名、江戸三千里の外に退散すべきものなり。
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
されど文化以降それらの綿密なる浮絵は全く衰微し北斎の新山水起るや、北寿もまた従来の浮絵を
棄
(
す
)
ておのが好む方向に進まんとせり。今その特徴を説明せんがため
道灌山
(
どうかんやま
)
の一図を引きて例とせんか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
明六日夜、五つ下がりに
道灌山
(
どうかんやま
)
裏の森まで参集されよ。——卍
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
“道灌山”の解説
道灌山(どうかんやま)は、東京都荒川区西日暮里4丁目にある高台である。田端、王子へ連なる台地の一際狭く少し高い場所にある。名称の由来は江戸城を築いた室町時代後期の武将・太田道灌の出城址という説、鎌倉時代の豪族・関道閑(せきどうかん)の屋敷址という説、キツネが住んでいた(または稲荷が祀られていた)ので稲荷山(とうかやま)と呼ばれたのが訛ったという説がある。
(出典:Wikipedia)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
灌
漢検準1級
部首:⽔
20画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“道灌山”で始まる語句
道灌山道
道灌山裏