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いつじ
ふりがな文庫
“
逸事
(
いつじ
)” の例文
それから、老番頭はまた、自分が知るかぎりの、同苦坊と師鉄眼との、因縁やら、
逸事
(
いつじ
)
やら、人間愛に富んだいろんな
見聞
(
けんもん
)
ばなしをして聞かせた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さすれば
内裡
(
だいり
)
の
内外
(
うちそと
)
ばかりうろついて
居
(
お
)
る予などには、思いもよらぬ
逸事
(
いつじ
)
奇聞が、舟にも載せ車にも積むほど、四方から集って参るに相違あるまい。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
甚だしきは、歴史上実在の人物の
逸事
(
いつじ
)
として伝えられていることが、実は支那小説の翻案であったというような事も、
往々
(
おうおう
)
に発見されるのでございます。
中国怪奇小説集:02 開会の辞
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
某月某日
(
ぼうげつぼうじつ
)
には某所において
漲
(
みなぎ
)
る流れを
冒
(
おか
)
して川越えをなしたとか、その他かくのごとき
逸事
(
いつじ
)
がある、かくのごとき軍功があると、言を極めて彼の徳と彼の力を
称揚
(
しょうよう
)
する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
先生は南北戦争の
逸事
(
いつじ
)
を話して、ある夜
火光
(
あかり
)
を見さえすれば敵が射撃するので、時計を見るにマッチを
擦
(
す
)
ることもならず、
恰
(
ちょうど
)
飛んで居た螢を
捉
(
つかま
)
えて時計にのせて時間を見た、と云う話をされた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
此
(
こ
)
の
男
(
をとこ
)
だから、
今
(
いま
)
では
逸事
(
いつじ
)
と
稱
(
しよう
)
しても
可
(
よ
)
いから
一寸
(
ちよつと
)
素破
(
すつぱ
)
ぬくが、
柳橋
(
やなぎばし
)
か、
何處
(
どこ
)
かの、お
玉
(
たま
)
とか
云
(
い
)
ふ
藝妓
(
げいしや
)
に
岡惚
(
をかぼれ
)
をして、
金
(
かね
)
がないから、
岡惚
(
をかぼれ
)
だけで、
夢中
(
むちう
)
に
成
(
な
)
つて、
番傘
(
ばんがさ
)
をまはしながら、
雨
(
あめ
)
に
濡
(
ぬ
)
れて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
似通った
逸事
(
いつじ
)
の有る事を、何やらの随筆本で見たような気もする。
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
初君が
件
(
くだん
)
の
哥
(
うた
)
を入れられ玉へり、是を越後第一の
逸事
(
いつじ
)
とす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
初君が
件
(
くだん
)
の
哥
(
うた
)
を入れられ玉へり、是を越後第一の
逸事
(
いつじ
)
とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“逸事”で始まる語句
逸事瑣談