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近比
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ちかごろ
ふりがな文庫
“
近比
(
ちかごろ
)” の例文
「ないことがあるものか、小さな家だよ、家のあることは事実だが、その家にいる者が問題だよ、姐さんは
近比
(
ちかごろ
)
ここへ来たのだね」
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
後には
近比
(
ちかごろ
)
故郷にてありしことなどを擧げて余が意見を問ひ、折に觸れては道中にて人々の失錯ありしことどもを告げて打笑ひ玉ひき。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昨日之松風、
近比
(
ちかごろ
)
見不申候
面白能
(
おもしろきのう
)
にて候。松のむかふをまはりてとをられ候様子ともは、わさをきに持て仕候者の可成様子にてはなく候。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後には
近比
(
ちかごろ
)
故郷にてありしことなどを挙げて余が意見を問ひ、折に触れては道中にて人々の失錯ありしことどもを告げて打笑ひ玉ひき。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その木像は
近比
(
ちかごろ
)
また
何人
(
だれ
)
かに盗まれたので、その木像の戻って来るような和歌を詠んでくれと村の人が桂月翁に頼んでいた。
不動像の行方
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
「
近比
(
ちかごろ
)
まで、私の家で茶店をやってましたが、お父さんとお母さんが、本郷のお
邸
(
やしき
)
へお手伝いにあがるようになりましたから、
止
(
や
)
めっちまいました」
雑木林の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
近比
(
ちかごろ
)
日本の風俗書きしふみ一つ二つ買はせて読みしに、おん国にては親の結ぶ縁ありて、まことの愛知らぬ夫婦多しと、こなたの旅人のいやしむやうに記したるありしが
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
伊沢もその仲間入りをして
近比
(
ちかごろ
)
にない
壮
(
わか
)
わかしい気もちになって笑っていたが、
何時
(
いつ
)
の間にか女をそっちのけにして昔の追懐へその話を持って往った。
雨夜続志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
八十之賀には
御垢附御羽折
(
おんあかつきおんはをり
)
雑魚
(
ざこ
)
数品拝領、其外
近比
(
ちかごろ
)
八丈島二反御肴とも被下置候。殊遇特恩身にあまり難有奉存候。
桑楡
(
さうゆ
)
之景もはや可然御奉公も出来かね、只々恐入奉存候。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「そんなことは無い、私は
近比
(
ちかごろ
)
来た者だが、それでも鯉の二疋や三疋は、買手を待たして置いても獲って来る」
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
先頃
沼波
(
ぬなみ
)
武夫君は一幕物の中のサロメの誤訳を指摘してくれられた。
近比
(
ちかごろ
)
伊庭孝君は同書の中の痴人と死との誤訳を指摘してくれられた。それ等も改版の折に訂正したく思っている。
不苦心談
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
尊も不思議に思っていたから神仙に
伺
(
うかご
)
うた。神仙は尊の
問
(
とい
)
に答えて、「
近比
(
ちかごろ
)
人間界から来た
新仙
(
しんせん
)
があって、まだ音楽に熟していないのが混っているからである」
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
此あたりに佳境ありてむかしより詩歌にも人口にもあらはれざりしを、
近比
(
ちかごろ
)
江戸人見出して絶景なりとし、はるかに大田南畝などに詩をつくらしむ。それより土人もしりて詩を諸方に乞ふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
喬生
(
きょうせい
)
も
己
(
じぶん
)
の家の
門口
(
かどぐち
)
へ立って、観燈の
夜
(
よ
)
の模様を見ていた。
鎮明嶺
(
ちんめいれい
)
の下に住んでいるこの
壮
(
わか
)
い男は、
近比
(
ちかごろ
)
愛していた女房に死なれたので
気病
(
きやまい
)
のようになっているところであった。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
近比
(
ちかごろ
)
は浪人の内職が本職になってね、文章を書いて
飯
(
めし
)
を
喫
(
く
)
うとは思わなかったよ、お互いに大臣になるか、警視総監になるか、
捨売
(
すてうり
)
にしても、知事位にはなれると思ってたからね」
雨夜続志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
奴さんは
近比
(
ちかごろ
)
細君の行動の怪しいことから、傍の寝台にいなかったこと、むし笑いに笑った女の声が、たしかに細君の声であったことを思いだして、世界が暗くなったのだ、しかし
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「好いかい、また、そんな者を追っかけてて、留置場の御厄介になろうと云うのじゃないか、
昨夜
(
ゆうべ
)
千束町
(
せんぞくちょう
)
の方で、あの出っ歯の刑事にあったら、山西は
近比
(
ちかごろ
)
どうだって、君のことを聞いてたぜ」
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お前さんは知らないかも判らない、私は
近比
(
ちかごろ
)
この村へ来た者だから」
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これは、私が
近比
(
ちかごろ
)
知りあった医学士のはなしであります——
薬指の曲り
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「真澄さん、あんたは、
近比
(
ちかごろ
)
体でも悪くはないかね」
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「もとはあったが、
近比
(
ちかごろ
)
はめっきり無くなった」
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
比
常用漢字
小5
部首:⽐
4画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近頃
近寄
近々
近習
近衛
近傍
近郷