農人のうにん)” の例文
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
罫を引くごとくも広き野を鋤きて土に順ふ支那の農人のうにん
夢のうちに、農人のうにん曰く、ながかてをみづから作れ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かくて、はや落穂おちぼひろひの農人のうにんが寒き瞳よ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
農人のうにんに候が私し儀幼少えうせうより武道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
夢のうちに、農人のうにんいはく、ながかてをみづから作れ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
虎列拉コレラ病める農人のうにんの厨に
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
おほくは農人のうにん若人わかうど商家しやうかのめしつかひもあり、ひるはいとなみをなして夜中にまうづる也。昼のいとなみのあひ/\日に三度づゝ水をあぶ、猶あぶるは心々也。
農人のうにん寢覺ねざめに通ふ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
○こゝに何村なにむらといふ所に家内の上下十人あまりの農人のうにんあり、主人あるじは五十歳ばかりつまは四十にたらず、世息せがれ二十はたちあまり娘は十八と十五也。いづれも孝子かうしきこえありけり。
天草あまくさ農人のうにん
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さて翌年の十月鶴二羽かの農人のうにんが家のにはちかくまひくだり、稲二けいおとし一こゑづゝなきて飛さりけり。主人あるじひろひとりて見るにそのたけ六尺にあまり、も是につれて長く、の一えだに稲四五百粒あり。