“農人橋”の読み方と例文
読み方割合
のうにんばし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうぞ、お出まし下さいませ。場所は、農人橋のうにんばし東詰ひがしづめ、そこは四国屋の出店でござりますが、東堀の浄国寺じょうこくじに添った所が、大阪へ来た時の住居になっておりまする」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下には覆面をまとったひとりの原士はらし——さっき農人橋のうにんばしの上で腕をくんだあの侍が——がまのように身を屈していた。そして今、この寮の裏で見届けた事実を告げている。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紫紺地しこんじの頭巾におもてをくるんだ弦之丞と、青い富士形の編笠に紅紐べにひもをつけて、眉深まぶかくかぶったお綱とは、せわしない往来をよけて、農人橋のうにんばし手欄てすりから川の中を見下ろしていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)