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躍氣
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やつき
と、
感情的な
高岡軍曹は
躍氣となつて
中根を
賞讃した。そして、
興奮した
眼に
涙を
溜めてゐた。
これからは
又々斷食、
此日も
空しく
暮れて
夜に
入つたが、
考へると
此後吾等は
如何になる
事やら、
絶望と
躍氣とに
終夜眠らず、
翌朝になつて、
曉の
風はそよ/\と
吹いて、
東の
空は
白んで
來たが
「
田中、
何を
愚圖々々しとるかつ‥‥」と、
軍曹は
躍氣になつて
足をどたどたさせた。