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蹴爪
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けづめ
ふりがな文庫
“
蹴爪
(
けづめ
)” の例文
重役の顔にちらと
愍
(
あはれ
)
みの色が見えたが、すぐまた相手が
蹴爪
(
けづめ
)
でももつてゐはしないか、と気づかふやうな不安さうな顔つきに変つた。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
蹴爪
(
けづめ
)
を高く上げて、あたかも生きているあいだは
武侠
(
ぶきょう
)
の精神のおかげで
敢
(
あ
)
えて
請
(
こ
)
おうとしなかった助命を切望しているように見えた。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
雄鶏は
妬
(
ねた
)
ましげに
蹴爪
(
けづめ
)
の上に伸び上がって、最後の決戦を試みようとする。その尾は、さながらマントの
裾
(
すそ
)
を剣ではね上げているようだ。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
飼鶏は心あるごとく
炫
(
まばゆ
)
い
洋燈
(
ランプ
)
をとみこう見た。
楯
(
たて
)
をも砕くべきその
蹴爪
(
けづめ
)
は、いたいたしげもなくお夏の襟にかかっている。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女はあっと驚いて立ちあがると、鶏は
口嘴
(
くちばし
)
を働かせ、
蹴爪
(
けづめ
)
を働かせて、突くやら蹴るやら散々にさいなんだ。女は悲鳴をあげて逃げまわるのを、かれは執念ぶかく追いまわした。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
莎草
(
くぐ
)
の
紅
(
べに
)
いまだするどし七面鳥もそろあゆみぬ
蹴爪
(
けづめ
)
をちぢめて
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
はるもやゝ
雞
(
とり
)
の
蹴爪
(
けづめ
)
や
牡丹
(
ぼたん
)
の芽 磊石
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
たがひに蹴合ふ
蹴爪
(
けづめ
)
には
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
蹴爪
(
けづめ
)
とぎとぎ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
婦人は
寡婦鶏
(
やもめどり
)
のやうに、伸びかかつた
蹴爪
(
けづめ
)
でおとなしい上院議員を跳ね飛ばしかねないやうな素振を見せた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雄鶏は
妬
(
ねた
)
ましげに
蹴爪
(
けづめ
)
の上に伸び上って、最後の決戦を試みようとする。その尾は、剣が
刎
(
は
)
ね上げるマントの
襞
(
ひだ
)
そのままである。彼は、
鶏冠
(
とさか
)
に血を注いで戦いを挑む。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ぐっと鶏の
蹴爪
(
けづめ
)
を
圧
(
おさ
)
えたんですってね、場合が場合だもんだから、何ですか……台の車が五六尺、ひとりでにきりきりと動出すのに連れられて、世に生れて、瞳の輝く第一番に、
羽搏
(
はたた
)
き打って
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たがひに蹴合ふ
蹴爪
(
けづめ
)
には
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その棒には、おまけに、節くれや、苔や、古い
雄鶏
(
おんどり
)
のように
蹴爪
(
けづめ
)
までついていた。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
蹴
常用漢字
中学
部首:⾜
19画
爪
常用漢字
中学
部首:⽖
4画
“蹴”で始まる語句
蹴
蹴出
蹴飛
蹴落
蹴上
蹴鞠
蹴散
蹴立
蹴込
蹴倒