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越路
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こしじ
ふりがな文庫
“
越路
(
こしじ
)” の例文
色と言い、また雪の
越路
(
こしじ
)
の雪ほどに、世に知られたと申す意味ではないので——これは
後言
(
くりごと
)
であったのです。……
不具
(
かたわ
)
だと言うのです。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女は
夙
(
つと
)
に美人のきこえがあった。美人が多いといわれる
越路
(
こしじ
)
の花のうちでも、藩中第一の美人だろうと日頃からいわれていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
作者に云うべき小言を、役者の方へ持ってくるのは、近松の作を知るために、
越路
(
こしじ
)
の
浄瑠璃
(
じょうるり
)
が聴きたいと云う愚物と同じ事だと云って門野に話した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白馬の裏を
越路
(
こしじ
)
の方へ出ると、大きな沼や、池が、いくつもあると聞いたが、多分そうなんでしょう。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
東国から、九州四国から、また
越路
(
こしじ
)
の端からも、本山参りの
善男善女
(
ぜんなんぜんにょ
)
の群が、ぞろぞろと都をさして続いた。そして彼等も春の都の渦巻の中に、幾日かを過すのであった。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
雪は
彼女
(
かれ
)
の上に容赦なく
降積
(
ふりつ
)
んで、さながら
越路
(
こしじ
)
の昔話に聞く
雪女郎
(
ゆきじょろう
)
のような
体
(
てい
)
になった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
越路
(
こしじ
)
の方の峰には、雲が迷っていたけれど、
有明
(
ありあけ
)
山、
燕
(
つばくろ
)
岳、
大天井
(
おてんしょう
)
、花崗石の
常念坊
(
じょうねんぼう
)
、そのそばから抜き出た槍、なだらかな南岳、低くなった蝶ヶ岳、高い穂高、乗鞍、
御嶽
(
おんたけ
)
、木曾駒と
雪の武石峠
(新字新仮名)
/
別所梅之助
(著)
私は
越路
(
こしじ
)
の雪深い山道をお供をして長らく
行脚
(
あんぎゃ
)
いたしましたが、それはそれはさまざまの難儀に出会いました。飢え死にしかけた事もありますし、山中で盗賊に襲われたこともありますよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
三人の連れ子をともなわれて雪ふかき
越路
(
こしじ
)
へおもむかれるのでござります。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その当時の大阪は
摂津大掾
(
せっつだいじょう
)
がまだ
越路
(
こしじ
)
の名で
旭日
(
あさひ
)
の登るような勢いであり、そのほかに
弥津
(
やつ
)
太夫、
大隅
(
おおすみ
)
太夫、呂太夫の
錚々
(
そうそう
)
たるがあり、女義には
東猿
(
とうえん
)
、
末虎
(
すえとら
)
、
長広
(
ながひろ
)
、
照玉
(
てるぎょく
)
と堂々と
立者
(
たてもの
)
が
揃
(
そろ
)
っていた。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
雪深き
越路
(
こしじ
)
を出て、久々にて花の大江戸にと入るのであった。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その上、かような御命を下されて、
越路
(
こしじ
)
へ旅立つからには、ふたたび善信が、生命のあるうちに、
朝夕
(
ちょうせき
)
の
御見
(
ぎょけん
)
も望み得ぬことかと思われます。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と共に、自分もこれから間もなく、この岡崎の草庵から、雪の
越路
(
こしじ
)
へ立って行かなければならない身であることを思う。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その玉日の最期まで、枕元に
侍
(
かしず
)
いて、
看護
(
みとり
)
をしていたこの二人であった。二人はどうしてもこのことを
越路
(
こしじ
)
の親鸞に親しくお告げしなければならないと思った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
変じ、軽々しき微行にては参って候が、それがしは御存知の佐々
内蔵助
(
くらのすけ
)
成政でござる。折入って、徳川どののおんために、申し談じたいことなおざって、
越路
(
こしじ
)
よりはるばるまかり申してござる
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやお寒いことであったろう。
越路
(
こしじ
)
の山や大雪をわけて、真冬を遠くおいであるなど、ひと通りなことではおわさぬ。山国衆は、総じて、酒量も人一倍とうけたまわる。さあ、おくつろいで」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“越路”で始まる語句
越路太夫