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起伏
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おきふし
ふりがな文庫
“
起伏
(
おきふし
)” の例文
深草の里に老婆が物語、聞けば
他事
(
ひとごと
)
ならず、いつしか身に振りかゝる哀の露、
泡沫夢幻
(
はうまつむげん
)
と悟りても、今更ら驚かれぬる世の
起伏
(
おきふし
)
かな。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
懶怠
(
なまけ
)
た身の
起伏
(
おきふし
)
に何といふこともなく眺めやる昼の男の心持、また逃げてゆく「時」のうしろでをも
恍惚
(
うつとり
)
と空に
凝視
(
みつ
)
むる心持……
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
E——のことを或る偶然の機会で知つて以来、純吉は
自家
(
うち
)
に
起伏
(
おきふし
)
するのが若しかつた。父親の顔を見るのも苦々しかつた。母親と言葉を交すのも退儀だつた。
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
かばかりの炎𤍠は
未
(
ま
)
だ知らぬ身なりしかなと、日も
夜
(
よる
)
も苦しみ続け
候
(
さふら
)
ふ程は、この航海よ、
我
(
わが
)
想像の
外
(
ほか
)
なりし世界を歩むよと憎く、
甲板
(
かふばん
)
に
出
(
い
)
でて浪の
起伏
(
おきふし
)
を見
候
(
さふら
)
ふことも悲しく
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
いふまでもなく
極月
(
しはす
)
かけて
三月
(
さんぐわつ
)
彼岸
(
ひがん
)
の
雪
(
ゆき
)
どけまでは、
毎年
(
まいねん
)
こんな
中
(
なか
)
に
起伏
(
おきふし
)
するから、
雪
(
ゆき
)
を
驚
(
おどろ
)
くやうな
者
(
もの
)
は
忘
(
わす
)
れても
無
(
な
)
い
土地柄
(
とちがら
)
ながら、
今年
(
ことし
)
は
意外
(
いぐわい
)
に
早
(
はや
)
い
上
(
うへ
)
に、
今時
(
いまどき
)
恁
(
か
)
くまで
積
(
つも
)
るべしとは
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
子の蹴りすてた小夜着は、幮の裾に波の
起伏
(
おきふし
)
を、真似て真似そこねる。
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
「博士、貴方は今までどこに
起伏
(
おきふし
)
していらっしゃったのですか」
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
獣
(
けもの
)
らの
重
(
おも
)
き
起伏
(
おきふし
)
。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“起伏”の意味
《名詞》
起 伏(きふく)
立ったり伏せたりすること。
土地などの高さで高い所と低い所があること。
感情などが高まったり沈んだりすること。盛んになったり衰えたりすること。
(出典:Wiktionary)
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
伏
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“起伏”で始まる語句
起伏凹凸
起伏連綿