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贔負
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びいき
ふりがな文庫
“
贔負
(
びいき
)” の例文
日本
狂
(
きちがい
)
とも言いたいほど日本
贔負
(
びいき
)
の婦人であった。その人が岸本を紹介してくれたのであった。老婦人は居間の方へ岸本を連れて行った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お神さんはいつでも万平
贔負
(
びいき
)
であった。芝居のお供といったらいつも万平で、万平のお蔭でお神さんは
一廉
(
ひとかど
)
の芝居通になっていたのであった。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
エリスの良人は珍らしい日本人
贔負
(
びいき
)
であった。凡そ日本の汽船でテームス川を溯ったほどの船員は、誰一人としてコックス家を知らぬものはなかった。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
五稜廓
(
ごりょうかく
)
で奮戦した
榎本武揚
(
えのもとたけあき
)
氏とも往来をして非常な徳川
贔負
(
びいき
)
の人であって剣道も能く出来た豪傑、武士道と
侠客肌
(
きょうかくはだ
)
を一緒につき混ぜたような肌合いの人物で、この気性で
幕末維新懐古談:40 貿易品の型彫りをしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
例になく
言葉寡
(
ことばずく
)
なに上品に
控
(
ひか
)
え込むが、せんだってあの鼻の主が来た時の
容子
(
ようす
)
を見たらいかに実業家
贔負
(
びいき
)
の尊公でも
辟易
(
へきえき
)
するに
極
(
きま
)
ってるよ、ねえ苦沙弥君、君
大
(
おおい
)
に奮闘したじゃないか
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
甚
(
じん
)
之
助
(
すけ
)
もとより
吾助
(
ごすけ
)
贔負
(
びいき
)
にて、
此男
(
このをとこ
)
のこと一も十も
成就
(
じやうじゆ
)
させたく、
喜
(
よろこ
)
ぶ
顏
(
かほ
)
見
(
み
)
たさの一
心
(
しん
)
に、これまでの
文
(
ふみ
)
の
幾通
(
いくつう
)
も
人目
(
ひとめ
)
に
觸
(
ふ
)
れぬ
樣
(
やう
)
とヾこほり
無
(
な
)
く
屆
(
とヾ
)
け、
令孃
(
ひめ
)
の
心
(
こヽろ
)
も
知
(
し
)
らず
返事
(
へんじ
)
をと
責
(
せ
)
めしが
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は、何故お信さんが親の意に従はうとしないかといふことよりも、何故伯父がお信さんの願望を容れて、森田と夫婦になることを許してやらないのかと、お信さん
贔負
(
びいき
)
に思はずに居られなかつた。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「あれ、女であの方を褒めない者は御座ません。奥様、
貴方
(
あなた
)
も桜井さん
贔負
(
びいき
)
じゃ御座ませんか」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
せんだってじゅうから日本は
露西亜
(
ロシア
)
と大戦争をしているそうだ。吾輩は日本の猫だから無論日本
贔負
(
びいき
)
である。出来得べくんば
混成
(
こんせい
)
猫旅団
(
ねこりょだん
)
を組織して露西亜兵を引っ
掻
(
か
)
いてやりたいと思うくらいである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
贔
漢検1級
部首:⾙
21画
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“贔負”で始まる語句
贔負目
贔負分
贔負客
贔負幟
贔負眼
贔負沙汰