トップ
>
質素
>
しっそ
ふりがな文庫
“
質素
(
しっそ
)” の例文
こんな
苦
(
くる
)
しい
道中
(
どうちゅう
)
のことでございますから、
御服装
(
おみなり
)
などもそれはそれは
質素
(
しっそ
)
なもので、
足
(
あし
)
には
藁沓
(
わらぐつ
)
、
身
(
み
)
には
筒袖
(
つつそで
)
、さして
男子
(
だんし
)
の
旅装束
(
たびしょうぞく
)
と
相違
(
そうい
)
していないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
永い年月の衣料の不足は、
質素
(
しっそ
)
な岬の子どもらのうえにいっそう
哀
(
あわ
)
れにあらわれていて、
若布
(
わかめ
)
のようにさけたパンツをはき、そのすきまから
皮膚
(
ひふ
)
の見える男の子もいた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
凡
(
およ
)
そこの種の人は
遁世
(
とんせい
)
出家
(
しゅっけ
)
して死者の
菩提
(
ぼだい
)
を
弔
(
とむら
)
うの例もあれども、今の世間の風潮にて
出家
(
しゅっけ
)
落飾
(
らくしょく
)
も
不似合
(
ふにあい
)
とならば、ただその身を社会の
暗処
(
あんしょ
)
に
隠
(
かく
)
してその生活を
質素
(
しっそ
)
にし
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そういう時世の中にあって、浅野家だけは、ひっそりと、
質素
(
しっそ
)
であった。名儒、
山鹿素行
(
やまがそこう
)
の感化も大いにあったし、藩祖以来の素朴な士風が、まだ、元禄の
腐
(
す
)
えた時風に同調していない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人の生活は、出来るだけ
質素
(
しっそ
)
を
旨
(
むね
)
とした。孫火庭は、中国料理のコックと称して、方々の料理店を渡りあるいた。そのとき、漢少年を自分の
甥
(
おい
)
だと称して、一緒につれあるいたのだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
六月の二十四日は、
内匠頭長矩
(
たくみのかみながのり
)
の百ヵ日目に当る。早朝に、
質素
(
しっそ
)
な女駕籠と幾人かの供人が、忍びやかに参詣して行った。内匠頭夫人の、今は髪も切って変り果てた姿が、駕籠へ忍ぶ時ちらと見えた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
質
常用漢字
小5
部首:⾙
15画
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
“質”で始まる語句
質
質問
質子
質朴
質屋
質入
質物
質樸
質店
質実