“しっそ”の漢字の書き方と例文
語句割合
質素100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう時世の中にあって、浅野家だけは、ひっそりと、質素しっそであった。名儒、山鹿素行やまがそこうの感化も大いにあったし、藩祖以来の素朴な士風が、まだ、元禄のえた時風に同調していない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人の生活は、出来るだけ質素しっそむねとした。孫火庭は、中国料理のコックと称して、方々の料理店を渡りあるいた。そのとき、漢少年を自分のおいだと称して、一緒につれあるいたのだった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
六月の二十四日は、内匠頭長矩たくみのかみながのりの百ヵ日目に当る。早朝に、質素しっそな女駕籠と幾人かの供人が、忍びやかに参詣して行った。内匠頭夫人の、今は髪も切って変り果てた姿が、駕籠へ忍ぶ時ちらと見えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)