-
トップ
>
-
しつそ
その
時分、
先生は
御質素なものであつた。
二十幾年、
尤も
私なぞは、
今もつて
質素である。
此の
段は、
勤儉と
題して、(
大久保)の
印を
捺しても
可い。
〔評〕南洲、
顯職に居り
勳功を
負ふと雖、身極めて
質素なり。朝廷
賜ふ所の
賞典二千石は、
悉く私學校の
費に
充つ。
貧困なる者あれば、
嚢を
傾けて之を
賑ふ。
〔譯〕人心の
靈は、
氣を
主とす。氣は
體に之れ
充つるものなり。凡そ事を爲すに、氣を以て
先導と爲さば、則ち
擧體失措無し。
技能工藝も、亦皆
此の如し。