へう)” の例文
かけ乘物のりものの上下にはしゆ爪折傘つまをりがさ二本を指掛さしかけ簑箱みのばこ一ツ虎皮の鞍覆たる引馬一疋へうの皮の鞍覆たる馬一疋黒天鵞絨くろびろうどに白く葵の紋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
巨大な鎌倉かまくららしい佛像の臺座の下、見事なへうの皮の上にフンハリと落ちて居ますが、曲者くせものは多分、唐紙越しに一發で主人を仕止め、鐵砲を投げ出して逃げうせたのでせう。
しかもその又風呂敷包みの中からへうに似た海綿をはみ出させてゐた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
へうも來て飮む椰子森やしりんは、麒麟が常の水かひ場。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
窓もなき灰色はひいろ貨物輌くわもつばこへうぞ積みたる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
へうおせしにも似る追憶おもひでもて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
へう外皮かはやら、にくやら、肉汁スープ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
寝てゐたへうの目が光る。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
へうの毛皮を敷き、緞子どんすの吊夜具、絹行燈の有明——いや、そんなものはさして驚くに足りませんが、部屋の兩方六枚の唐紙に描いた、六人の美女の、半裸の艶容嬌態が、平次のあらゆる豫期を超えて
めしひつつ血に叫ぶへうの声とほあわ立つ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
へうの射るにも似たる——
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
へうふくろ饅頭まんぢう分配ぶんぱい
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
へうのごとえつつ湿めるみちくま
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
へうをこそめでにしか
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
へう小刀ナイフ肉叉にくさじ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)