見苦みぐるし)” の例文
子を生みし後も宮が色香はつゆうつろはずして、おのづか可悩なやまし風情ふぜいそはりたるに、つまが愛護の念はますます深く、ちようは人目の見苦みぐるしきばかりいよいくははるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見苦みぐるしい自己忘却から
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
つかへ申けるは徳川と名乘なのらせ給ふにはさだめて仔細しさいある御方なるべしそれがし事は信濃國諏訪すはの者にて遠州屋ゑんしうや彌次六と申し鵞湖散人がこさんじんまた南齋なんさいとも名乘候下諏訪しもすは旅籠屋はたごや渡世とせい仕つれり若も信州邊しんしうへんへ御下りに成ば見苦みぐるしくとも御立寄あるべし御宿仕らんと云にぞ寶澤は打點頭うちうなづきさて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今日まで懕々ぶらぶら致候いたしさふらふて、唯々なつかし御方おんかたの事のみ思続おもひつづさふらふては、みづからのはかなき儚き身の上をなげき、胸はいよいよ痛み、目は見苦みぐるし腫起はれあがり候て、今日は昨日きのふより痩衰やせおとろ申候まをしさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
生きたる心地もせずして宮のをののけるかたはらに、車夫は見苦みぐるしからぬ一台の辻車つじぐるまを伴ひきたれり。やうやおもてあぐれば、いつ又寄りしとも知らぬ人立ひとたちを、可忌いまはしくも巡査の怪みてちかづくなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)