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薄霞
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うすがすみ
ふりがな文庫
“
薄霞
(
うすがすみ
)” の例文
錦
(
にしき
)
の帯を解いた様な、
媚
(
なま
)
めかしい草の上、雨のあとの
薄霞
(
うすがすみ
)
、山の
裾
(
すそ
)
に
靉靆
(
たなび
)
く
中
(
うち
)
に
一張
(
いっちょう
)
の
紫
(
むらさき
)
大きさ
月輪
(
げつりん
)
の如く、はた
菫
(
すみれ
)
の花束に似たるあり。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
渋紙をほぐすと、中から出たのは、刃渡り八寸ほどの、薄刃ながら凄い
業物
(
わざもの
)
。窓の明りに透かすと
薄霞
(
うすがすみ
)
を
刷
(
は
)
いたような脂が焼刃の上を曇らせております。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
めぐりはまとふ
薄霞
(
うすがすみ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
着つけは桃に
薄霞
(
うすがすみ
)
、
朱鷺色絹
(
ときいろぎぬ
)
に白い裏、
膚
(
はだえ
)
の雪の
紅
(
くれない
)
の
襲
(
かさね
)
に透くよう
媚
(
なまめ
)
かしく、白の
紗
(
しゃ
)
の、その狩衣を装い澄まして、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の帯、箱文庫。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
菜種
(
なたね
)
にまじる
茅家
(
かやや
)
のあなたに、白波と、
松吹風
(
まつふくかぜ
)
を
右左
(
みぎひだ
)
り、
其処
(
そこ
)
に旗のような
薄霞
(
うすがすみ
)
に、しっとりと
紅
(
くれない
)
の
染
(
そ
)
む
状
(
さま
)
に桃の花を
彩
(
いろど
)
った、その
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
より、高いのは一つもない。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
時しも一面の
薄霞
(
うすがすみ
)
に、処々
艶
(
つや
)
あるよう、月の影に、雨戸は
寂
(
しん
)
と
連
(
つらな
)
って、朝顔の葉を吹く風に、さっと乱れて、鼻紙がちらちらと、
蓮歩
(
れんぽ
)
のあとのここかしこ、夫人をしとうて
散々
(
ちりぢり
)
なり。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
霞
漢検準1級
部首:⾬
17画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷