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薄傷
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うすで
ふりがな文庫
“
薄傷
(
うすで
)” の例文
かえって、その二人などが、真っ先に、割りつけられ、後もみな
深傷
(
ふかで
)
薄傷
(
うすで
)
。
与惣兵衛
(
よそべえ
)
など、ここまで気丈に帰って来たが、ひと口、水を
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少し
薄傷
(
うすで
)
を負はされた八五郎が、寺本山平を送るとすつかり元氣になつて、平次と一緒に家路を急ぎながら、相變らず繪解きを迫ります。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薄傷
(
うすで
)
を無数に受けていて、全身が綿のように
疲労
(
つか
)
れていて、自分だけでは爺の手から、例の巻き奉書と綴じ紙とを、奪い取ることはむずかしいと
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
五の敵をむなしく
殺
(
あや
)
めたほか、めざす左膳には
薄傷
(
うすで
)
をおわせたにすぎなかったが、きょうにも乾雲丸に再会せぬものでもないと、歳の市の人中をぶらりと歩いていた諏訪栄三郎。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
頬から耳の辺へかけて、
薄傷
(
うすで
)
を負うと、血のすじが、顔中にちらかって、
悽惨
(
せいさん
)
な二つの眼だけが、穴みたいに光っている。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
が、多勢に無勢、暫らくの後、井上
玄蕃
(
げんば
)
は生捕られ、二人の青侍も
薄傷
(
うすで
)
を負つた樣子、手馴れた錢を投げられないので、平次の武力も思ふに任せません。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、多勢に無勢、しばらくの後、井上玄蕃は生け捕られ、二人の青侍も
薄傷
(
うすで
)
を負った様子、手馴れた銭を投げられないので、平次の武力も思うに任せません。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
起てざる者は倒れ、
薄傷
(
うすで
)
の者は戸を蹴って外へ逃げ出しますと、存分に彼等を痛めつけた一方の影は、二階の梯子をふんでヒラリと
物干
(
ものほ
)
しへ飛び出しました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
与五郎は、大地へ左の手をついて、
迅
(
はや
)
い敵の影を見送った。股か、膝のあたりに、
薄傷
(
うすで
)
を負ったのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人とも
薄傷
(
うすで
)
を負ったらしく、山浦丈太郎はわけても、頬や腕のあたりにかすり傷を受けましたが、
蘇芳
(
すおう
)
を浴びたようになり乍ら、気力を励まして、
必死
(
ひっし
)
と切り結びます。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
追い散らして血路をひらき、無事に屋敷へ帰ったものの、五、六ヵ所の
薄傷
(
うすで
)
を負ったので、数日床についていると、やがて様子を見にきた夕雲先生、それを見て
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
早くも引拔いた一刀、バラリと一文字に拂ふと、續く二三人、
薄傷
(
うすで
)
を負つて
將棋倒
(
しやうぎだふ
)
しに——。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早くも引抜いた一刀、バラリと一文字に払うと、続く二三人、
薄傷
(
うすで
)
を負って将棋倒しに——。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
素人療治
(
しろうとりょうじ
)
でも
癒
(
なお
)
る
薄傷
(
うすで
)
と思われたが、
寺僧
(
じそう
)
は遠くまで行って外科医をよび迎えて来た。もちろん
生命
(
いのち
)
には別条なく、およそ半月も寝ていたら元の体になろうということだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
振り廻したところで
薄傷
(
うすで
)
を負はせるだけ、命取りの兇器にはなりませんが、背と背を合せて縛つた二梃剃刀は、使ひやうに依つては、
匕首
(
あひくち
)
のやうに鋭利な兇器になるのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
手強
(
てごわ
)
かった、さすがに、千坂が選りぬいてよこした隠密、おれも、ここへ
薄傷
(
うすで
)
を負った』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄傷
(
うすで
)
ながら数ヶ所の手傷を受けて居るせいか、なかなか思うような力は出ない様子です。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
生不動の身内では、利助が金井一角に斬り
斃
(
たお
)
された他は、百介も駒吉も
薄傷
(
うすで
)
を負っただけだったが、
大切
(
だいじ
)
な預り人春日新九郎一名が、その夜以来、まったく消息が知れなかった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、まだその四人のうちには、
薄傷
(
うすで
)
の程度で、多少
呼息
(
いき
)
のある者があったとみえ、牡丹色の武者羽織が、ハッと振向くと、そこの死骸から、人魂のように、血まみれな一箇が
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右手に持つたのは、銀紙貼りの竹光、それは
斜
(
はす
)
つかひに切られて、肩先に
薄傷
(
うすで
)
を負はされた上、左の胸のあたりを、したゝかに刺され、
蘇芳
(
すはう
)
を浴びたやうになつて、こと切れて居るのでした。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
右手に持ったのは、銀紙貼りの竹光、それは
斜
(
はす
)
っかいに切られて、肩先に
薄傷
(
うすで
)
を負わされた上、左の胸のあたりを、したたかに刺され、
蘇芳
(
すおう
)
を浴びたようになって、こと切れているのでした。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
六人の門人は乱刀を
滅多矢鱈
(
めったやたら
)
にふるばかりであったが多勢に無勢、殊に老骨の悲しさには息疲れに迫った作左衛門、次第に押ッ取り囲まれて数ヵ所の
薄傷
(
うすで
)
から朱を浴びたほどの鮮血が流れた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——助かる。背すじだ、
薄傷
(
うすで
)
だ」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
傷
常用漢字
小6
部首:⼈
13画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷