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草箒
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くさぼうき
ふりがな文庫
“
草箒
(
くさぼうき
)” の例文
紙は見る間に燃えて行った。捨吉は土蔵の
廂間
(
ひあわい
)
にあった裏の畠を掃く
草箒
(
くさぼうき
)
を手にしたまま、丹精した草稿が灰に
化
(
な
)
って行くのを眺めていた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分が姉を見上げた時に、姉の後に
襷
(
たすき
)
を掛けた
守
(
も
)
りのお松が、
草箒
(
くさぼうき
)
とごみとりとを両手に持ったまま、立ってて姉の肩先から自分を
見下
(
みおろ
)
して居た。
守の家
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私共が粕谷へ引越しの前日、東京からバケツと
草箒
(
くさぼうき
)
持参で掃除に来た時、村の
四辻
(
よつつじ
)
で女の子を
負
(
おぶ
)
った色の黒い
矮
(
ちいさ
)
い六十爺さんに道を教えてもらいました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見るからに丸柿庄六と名乗りそうな
面構
(
つらがま
)
えで、手に
草箒
(
くさぼうき
)
を一本
提
(
さ
)
げていたが、万平を見ると
胡乱
(
うろん
)
臭そうにジロリと睨んで立止まって、ガッチリとした
渋柿面
(
しぶがきづら
)
をして見せた。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この箒木は歌人がしばしば伝統的に用い、其角あたりも句中に取入れて読者を煙に巻いた「その原やふせやに
生
(
お
)
ふる箒木」の類ではない。
草箒
(
くさぼうき
)
の材料になる、ありふれた箒草のことである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
▼ もっと見る
極めて狭い
溝板
(
どぶいた
)
の上を通行の人は
互
(
たがい
)
に身を斜めに
捻向
(
ねじむ
)
けて行き
交
(
ちが
)
う。
稽古
(
けいこ
)
の
三味線
(
しゃみせん
)
に人の話声が
交
(
まじ
)
って聞える。
洗物
(
あらいもの
)
する
水音
(
みずおと
)
も聞える。赤い腰巻に
裾
(
すそ
)
をまくった
小女
(
こおんな
)
が
草箒
(
くさぼうき
)
で溝板の上を掃いている。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お種は
草箒
(
くさぼうき
)
を手にして、石段の下へも降りて行った。余念なく石垣の草むしりをしていると、丁度そこへ三吉が路地の方から廻って訪ねて来た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
万障
(
ばんしょう
)
一排
(
いっぱい
)
して二月二十七日を
都落
(
みやこおち
)
の日と定め、其前日二十六日に、彼等夫婦は若い娘を二人連れ、
草箒
(
くさぼうき
)
と
雑巾
(
ぞうきん
)
とバケツを持って、東京から
掃除
(
そうじ
)
に往った。案外道が遠かったので、娘等は大分弱った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
町々を飾る青い竹の葉が風に
萎
(
しな
)
びてガサガサ音のするような日の午後に、捨吉は勝手口の横手にある井戸の
側
(
わき
)
を廻って物置から
草箒
(
くさぼうき
)
と
塵取
(
ちりとり
)
とを持って来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
箒
漢検1級
部首:⽵
14画
“草”で始まる語句
草鞋
草
草履
草臥
草叢
草原
草木
草鞋穿
草花
草双紙