花笠はながさ)” の例文
それが少女せうぢよであればすくなくとも三四にんれてかざられた花笠はながさふかかほおほはれてるのにそれでも猶且やつぱりられることを
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
芸者の揃いの手古舞てこまい姿。佃島つくだじま漁夫りょうし雲龍うんりゅう半纏はんてん黒股引くろももひき、古式のいなせな姿で金棒かなぼうき佃節を唄いながら練ってくる。挟箱はさみばこかついだ鬢発奴びんはつやっこ梵天帯ぼんてんおび花笠はながさ麻上下あさがみしも、馬に乗った法師武者ほうしむしゃ
その昔、芝居茶屋の混雑、おさらいの座敷の緋毛氈ひもうせん、祭礼の万燈まんどう花笠はながさったその眼は永久に光を失ったばかりに、かえって浅間しい電車や電線や薄ッぺらな西洋づくりを打仰ぐ不幸を知らない。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
天窓の下からいだしてきたのは、横綱のような大男ではないか。すそのひきずるような中国服を着て、頭には花笠はながさのようなかんむりをかぶっている。その冠のふちには、三重のヴェールがれていた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その時に着た桃色の綸子縮緬りんずちりめん花笠はながさの模様のある振袖ふりそでを贈った。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
花笠はながさいつかかざさむと
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
梅のこぞめの花笠はながさ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
脊中せなか花笠はながさ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)