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船虫
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ふなむし
ふりがな文庫
“
船虫
(
ふなむし
)” の例文
旧字:
船蟲
潮
(
しお
)
の引く時
泥土
(
でいど
)
は目のとどく限り引続いて、岸近くには古下駄に
炭俵
(
すみだわら
)
、さては皿小鉢や椀のかけらに
船虫
(
ふなむし
)
のうようよと
這寄
(
はいよ
)
るばかり。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『八犬伝』には幾多の興味ある
挿話
(
エピソード
)
がある。例えば
船虫
(
ふなむし
)
の一生の如き、単なる一挿話とするには惜しい話材である。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
船虫
(
ふなむし
)
が
瞽婦
(
ごぜ
)
に身をやつして、
小文吾
(
こぶんご
)
を殺さうとする。それが一旦つかまつて
拷問
(
がうもん
)
された揚句に、
荘介
(
さうすけ
)
に助けられる。あの段どりが実に何とも申されません。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
船虫
(
ふなむし
)
が
群
(
むら
)
がって往来を駆けまわるのも、工場の
煙突
(
えんとつ
)
の
烟
(
けむり
)
が
遥
(
はる
)
かに見えるのも、
洲崎
(
すさき
)
へ通う車の音がかたまって響くのも、二日おき三日置きに
思出
(
おもいだ
)
したように
巡査
(
じゅんさ
)
が入るのも
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
船虫
(
ふなむし
)
のお富と言つてね、
懷中
(
ふところ
)
が重くて、人間の甘さうなのを
選
(
よ
)
つて、船が岸へ着いた時、よろける振りをして水の中に突き落し、散々詫びを言ひながら自分の家へつれ込むんです
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
船虫
(
ふなむし
)
が
瞽婦
(
ごぜ
)
に身をやつして、
小文吾
(
こぶんご
)
を殺そうとする。それがいったんつかまって
拷問
(
ごうもん
)
されたあげくに、
荘介
(
そうすけ
)
に助けられる。あの段どりが実になんとも申されません。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、『八犬伝』の興趣は
穂北
(
ほきた
)
の四犬士の
邂逅
(
かいこう
)
、
船虫
(
ふなむし
)
の
牛裂
(
うしざき
)
、
五十子
(
いさらこ
)
の焼打で最頂に達しているので、八犬具足で終わってるのは馬琴といえどもこれを知らざるはずはない。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
黙阿弥の劇中に見られるやうな毒婦は近松にも西鶴にも
春水
(
しゆんすゐ
)
にも
見出
(
みいだ
)
されない。
馬琴
(
ばきん
)
に至つて初めて「
船虫
(
ふなむし
)
」を発見し得るが、講談としては已に
鬼神
(
きじん
)
お
松
(
まつ
)
其他
(
そのた
)
に多くの類例を挙げ得るであらう。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
船虫
(
ふなむし
)
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“船”で始まる語句
船
船橋
船室
船首
船頭
船渠
船長
船尾
船乗
船暈