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胯
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また
ふりがな文庫
“
胯
(
また
)” の例文
すなわちまず
海棠
(
かいどう
)
を
羞殺
(
しゅうさい
)
して牡丹を
遯世
(
とんせい
)
せしむる的の美婦と現じて、しみじみと親たちは木の
胯
(
また
)
から君を産みたりやと質問したり
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この同じ見せものにその後米国へ渡って、また偶然出くわした。これだけの特技があれば世界を
胯
(
また
)
にかけて食って行けるのだと感心した。
映画時代
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼女は赤ん坊が小便をしたといっては
胯
(
また
)
を
抓
(
つね
)
った。乳の
呑
(
の
)
み方が悪いといっては平手で頭を
撲
(
ぶ
)
った。それからすべての器物にも手荒く当たった。
猟奇の街
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
贅沢な機械でも見るやうに刑事たちが彼女を見たが、チタ子は憂鬱そうに、
胯
(
また
)
火鉢した男の破れた靴下をみつめていた。
大阪万華鏡
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
天明三年、信州と上州とに
胯
(
また
)
がる浅間山が爆発して熔岩を押しだし、それが利根川の下流まで流れ溢れ、私の村の近くは火石の原と化したのである。
たぬき汁
(新字旧仮名)
/
佐藤垢石
(著)
▼ もっと見る
藪
(
やぶ
)
の中の
黄楊
(
つげ
)
の木の
胯
(
また
)
に
頬白
(
ほおじろ
)
の巣があって、幾つそこに
縞
(
しま
)
の入った卵があるとか、
合歓
(
ねむ
)
の花の咲く川端の
窪
(
くぼ
)
んだ穴に、何寸ほどの
鯰
(
なまず
)
と鰻がいるとか
洋灯
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
生物線が万一何かの間違いならば、これは世界を
胯
(
また
)
にかけた世紀の千里眼であり、また今に本当に確認される日が来たら、生物学界の大異変である。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「まあ何をおっしゃるやら、さすがお国の諸所方々を
胯
(
また
)
にかけお歩きなさるだけ、お口もお上手でございますこと」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
繩を首の後ろから通して、胸の所で十字にし、それから
胯
(
また
)
の間を通し、後ろの両手に結びつけるのである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
石を
堆
(
つ
)
んで人を埋めた石こつみの話、謡曲に残る谷行の作法などは、成年戒の苦しみの物語化したものである。天狗が
胯
(
また
)
を裂くといふ信仰も、此に関係がある様だ。
古代民謡の研究:その外輪に沿うて
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
背の高い怪しい者が月の光を浴びて、こちらへ向いて大
胯
(
また
)
に歩いてくるのが木の間から見えた。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ひと
胯
(
また
)
ぎほどの細流のある他には川らしいものもなく、まったくの山家という感じだった。
花咲かぬリラ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
三本目にうまくひっかかって木の
胯
(
また
)
の上へうまいぐあいに乗っかることができたのさ。
土の中からの話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
師のねがふ事いとやすし。待たせ給へとて、
杳
(
はる
)
かの
底
(
そこ
)
に
去
(
ゆ
)
くと見しに、しばしして、
冠
(
かむり
)
装束
(
さうぞく
)
したる人の、
前
(
さき
)
の
大魚
(
まな
)
に
胯
(
また
)
がりて、
許多
(
あまた
)
の
四四
鼇魚
(
うろくづ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて浮かび来たり、我にむかひていふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
猹は身を
翻
(
ひるがえ
)
して彼の
胯
(
また
)
の下からくぐり抜けて逃げてしまったのであった。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
しかし実のところは丁度その頃、内閣と海軍と太平洋戦とを
胯
(
また
)
にかけた世紀の大千里眼事件が起っていたので、この一文はそれを幾分でも
喰
(
く
)
い止めるために書いたものである。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
胯
漢検1級
部首:⾁
10画
“胯”を含む語句
大胯
小胯
胯下
胯長