つらな)” の例文
大國おほくにのしるしにや、みちひろくしてくるまならべつべし、周道しうだう如砥とのごとしとかやひけん、毛詩まうし言葉ことばまでおもでらる。並木なみきまつきびしくつらなりて、えだをつらねかげかさねたり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
更に言ふ、吾人は宗教と併行し、道心と相つらなり、以て吾人の希望を達せんと期す。戦争は政治家の罪にあらずして、人類の正心の曇れるにつてなることを記憶せられよ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
女神の前にも、幾条かつらなってかかっていた。山の奥の幽なる中に、五色のつたを見るおもいがあります。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つらなる車は、薄日なれば母衣ほろを払って、手に手にさしかざしたいろいろの日傘に、あたかも五彩の絹を中空に吹きなびかしたごとく、死したる風もさっと涼しく、美女たおやめたちのおもてを払って
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)