シカ)” の例文
諸葛氏ノ兄キン、弟タン、並ビテ令名アリ。各〻一国ニ在ルガ故、人以テウ、蜀ハ龍ヲ得タリ、呉ハ虎ヲ得タリ、シカシテ、魏ハソノイヌヲ得タリト。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ユカは低いけれども、かいてあるにはあつた。其替り、天井は無上ムシヤウに高くて、シカカヤのそゝけた屋根は、破風ハフの脇から、むき出しに、空の星が見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
牛肉ギウニクヒトケルヤ開化之薬舗カイクワノヤクホニシテシカシテ文明ブンメイ良剤リヤウザイナリ」と言ひ、京橋に建てられた煉瓦石れんぐわせきの家を見ては
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「国境ヨリ 真珠ノ頸飾ノ密輸甚ダ盛ンナリ。此処数日間ニ密輸サレタル数量ハ時価ニシテ五十万るーぶりニ達ス。シカシテ之レ皆貴関ヨリ密輸セラレタルコト判明セリ。急遽キュウキョ手配アレ」
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
人間誰カ母ノ子ナラザル者アランヤ。シカアレ、御辺ノ情ニ対シテ、ク弓ナク、御辺ノ恩ニ向ツテヌルヤイバナシ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其時、塚穴の深い奥から、コホりきつた、シカも今息を吹き返したばかりの声が、明らかに和したのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
是ヲ死地ニ置イテシカシテノチク——と。それがしは幼より兵法を学び、丞相すら事にあたってははかりごとをこの馬謖に相談されておるのだ。だまって我が命令のようにすればよい
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
問「シカモ、加勢モナク、信長ノ出動モナキハ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)