素首そっくび)” の例文
明日は、この穴の中へ、自分の素首そっくびが斬り落されて、文字通り身首ところを異にする運命をまざまざと見せつけられながら、米友は何も言わない。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これ此の通り廿五両をやろうと思っている処、一本よこせと云われちゃア、どうせほそった首だから、素首そっくびが飛んでも一文もやれねえ、それにお前よく聞きねえ
針ほども心に面白き所あらば命さえくれてやる珠運も、何の操なきおのれに未練残すべき、その生白なましらけたる素首そっくびみるけがらわしと身動きあらく後向うしろむきになれば、よゝと泣声して
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昨夜、公園のベンチの上で、妾たちの唇と唇とが触れあったとき、妾はすぐその場で断頭台へつれて行かれて、二十秒以内に素首そっくびにぎらぎら光る斧をあてがわれてもいいと思ったわ。
「ならん、たわけめ、素首そっくびを打ち落とすやつだが、薬を取りかえしたことだし、それに、昨日立てかえた金をかえせば、生命いのちだけは助けてやるが、其のかわりてめえの指を、一本一本折るからそう思え」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いんやけえらねえッたらけえられねえや、どうせ細った素首そっくびだから三尺たけい処へ板付いたつきになって、小塚原か鈴ヶ森へさらされた時に、あゝい気味だと云って笑って下せえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何うせ此の世にゃア望みはえ、うめえものでも沢山たんとくらって、面白い思いをして太く短かく生涯しょうげえを楽に暮して、縛られゝば百年目、此の粗末な素首そっくびを飛ばして帳消ちょうけしをして貰うばかり
改心してもう身動きも出来ん程悪事をして、の道おかみの手に掛って素首そっくびはねられる身の上、よしんば大夫が今坊主になっても、粥河圖書が在俗の時分是々の悪事があるといえば
半「全くとって悪事に共に荷担すれば素首そっくびの飛ぶ仕事じゃアねえか」