“笥(け)” の例文
見るものきくもの味(あじわ)う者ふるるもの、みないぶせし。笥(け)にもるいいを椎(しい)の葉のなぞと上品の洒落(しゃれ)など云うところにあらず。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その他厨子(ずし)、箱、笥(け)などにもしばしば見事なものを見ます。いずれも廃(すた)れかかっていますが、何故土地の人々はこういう品をもっと自慢しないのでしょうか。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
下毛野(しもつけぬ)みかもの山(やま)の小楢(こなら)如(の)す目細(まぐは)し児(こ)ろは誰(た)が笥(け)か持(も)たむ 〔巻十四・三四二四〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「家にあれば笥(け)にもる飯(いひ)も草まくら旅にしあれば椎の葉にもる」とは行旅の情をうたつたばかりではない。我我は常に「ありたい」ものの代りに「あり得る」ものと妥協するのである。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
家(いへ)にあれば笥(け)に盛(も)る飯(いひ)を草枕(くさまくら)旅(たび)にしあれば椎(しひ)の葉(は)に盛(も)る 〔巻二・一四二〕 有間皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「家(いへ)にあれば笥(け)にもる飯(いひ)を草まくら旅にしあれば椎の葉にもる」とは行旅の情をうたったばかりではない。我我は常に「ありたい」ものの代りに「あり得る」ものと妥協するのである。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)