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禿
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ち
ふりがな文庫
“
禿
(
ち
)” の例文
京屋の家族は、
倅
(
せがれ
)
の善太郎たった一人だけ。これは人間がだいぶ甘く、二十二にもなっているのに、
禿
(
ち
)
び
菷
(
ほうき
)
ほどの役にも立ちません。
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
枝の
禿
(
ち
)
びた
接骨気
(
にわとこ
)
の木を目あてにしてその傍からおりていることもたしかに判っているので、他へ往っている気づかいはないのであった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小さな木祠が
祀
(
まつ
)
ってあって、扉を開けて見ると、穂高神社奉遷座云々と、
禿
(
ち
)
び筆で書いた木札などが、散乱している。
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
父親がきの毒で、一時は、書くのを止めようかとも思ったけれ共、さりとて、黙ったまますむ事でもないので、ロール手紙に
禿
(
ち
)
びた筆で、不様な手紙を書き始めた。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
飛白
(
かすり
)
の筒袖羽織、
禿
(
ち
)
びた
薩摩下駄
(
さつまげた
)
、
鬚髯
(
ひげ
)
もじゃ/\の彼が
風采
(
ふうさい
)
と、
煤竹
(
すすたけ
)
色の被布を着て痛そうに
靴
(
くつ
)
を
穿
(
は
)
いて居る白粉気も何もない女の
容子
(
ようす
)
を、
胡散
(
うさん
)
くさそうにじろじろ見て居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
筆
(
ふで
)
禿
(
ち
)
びて返り咲くべき花もなし
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
少女は紫の
矢絣
(
やがすり
)
の
袂
(
たもと
)
をひるがえして
前
(
さき
)
に立って往った。門の中には
禿
(
ち
)
びて枝の踊っているような松の老木があり、
椿
(
つばき
)
の木があり、
嫩葉
(
わかば
)
の間から実の
覗
(
のぞ
)
いている梅の木があって門の中を覆うていた。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その草原の
中央
(
なかほど
)
の枝の
禿
(
ち
)
びた榎の古木のしたに、お諏訪様と呼ばれている蟇の蹲まったような小さな祠があったが、それは
枌葺
(
そぎふき
)
の屋根も朽ちて、木連格子の木目も瓦かなんぞのように黒ずんでいた。
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“禿”の解説
禿(かぶろ、かむろ)とは、頭に髪がないことを言い、肩までで切りそろえた児童期の髪型、あるいはその髪型をした子供を指す。狭義では、江戸時代の遊廓に住む童女をさす。
『平家物語』では、平安京に放たれる平家方の密偵として見える。
(出典:Wikipedia)
禿
漢検準1級
部首:⽲
7画
“禿”を含む語句
禿頭
禿顱
禿茶瓶
禿木
薄禿
禿鷹
禿筆
禿鷲
中禿
赭禿
赤禿
禿山
切禿
禿上
馬禿山
愚禿
禿安
禿頭病
禿鳶
禿松
...