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碧
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みど
ふりがな文庫
“
碧
(
みど
)” の例文
右手の窓の外に、高い
樅
(
もみ
)
の木が半分見えて後ろは
遐
(
はる
)
かの空の国に入る。左手の
碧
(
みど
)
りの窓掛けを
洩
(
も
)
れて、澄み切った秋の日が
斜
(
なな
)
めに白い壁を明らかに照らす。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ベラージオの町は、岬のとっさきに建てられて、坂路の石を敷きつめた小路に沿うた白壁の家が、
碧
(
みど
)
りの水と、蒼空と、それを囲む遠山の、スウィスの雪に対いあう。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
裏の窓より見渡せば見ゆるものは茂る葉の木株、
碧
(
みど
)
りなる野原、及びその間に
点綴
(
てんてつ
)
する
勾配
(
こうばい
)
の急なる赤き屋根のみ。西風の吹くこの頃の
眺
(
なが
)
めはいと晴れやかに心地よし。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乱れ起る岩石を左右に
縈
(
めぐ
)
る流は、
抱
(
いだ
)
くがごとくそと割れて、半ば
碧
(
みど
)
りを透明に含む
光琳波
(
こうりんなみ
)
が、
早蕨
(
さわらび
)
に似たる曲線を
描
(
えが
)
いて
巌角
(
いわかど
)
をゆるりと越す。河はようやく京に近くなった。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その岩の上に一人の女が、
眩
(
まば
)
ゆしと見ゆるまでに紅なる衣を着て、知らぬ世の楽器を
弾
(
ひ
)
くともなしに弾いている。
碧
(
みど
)
り積む水が肌に
沁
(
し
)
む寒き色の中に、この女の影を
倒
(
さか
)
しまに
蘸
(
ひた
)
す。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
深い
碧
(
みど
)
りの上へ薄いセピヤを流した空のなかに、はっきりせぬ
鳶
(
とび
)
が一羽舞っている。
雁
(
かり
)
はまだ渡って来ぬ。
向
(
むこう
)
から
袴
(
はかま
)
の
股立
(
ももだ
)
ちを取った小供が唱歌を
謡
(
うた
)
いながら愉快そうにあるいて来た。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
“碧”を含む語句
碧玉
碧空
碧緑
碧血
碧梧桐
碧々
碧色
深碧
碧海
淡碧
碧藍
碧眼
金碧
碧瑠璃
碧瑠璃海岸
一碧
紅毛碧眼
碧流
碧眼玉
碧波
...