硯友社けんいうしや)” の例文
それから硯友社けんいうしやの傾向に私が同化することが出来なかつたことを説く条に、『その癖、かれは渠等と共通な感傷性を脱し切れなかつた』
エンジンの響 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
それを石橋いしばしわたしとでしきり掘出ほりだしにかゝつた、すると群雄ぐんいう四方しはうよりおこつて、ひゞきの声におうずるがごとしです、これ硯友社けんいうしや創立さうりつ導火線だうくわせんつたので
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
硯友社けんいうしや時代の小説にでも出て來る、親孝行で優しくて、身を賣つて病父の藥を購ふといふやうな、古風な哀れつぽさで取卷かれてゐる女主人公になつてしまつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
明治二十七八年頃江見水蔭子えみすゐいんしがこの地の娼婦しやうふを材料としてゑがいた小説「泥水清水どろみづしみつ」の一篇は当時硯友社けんいうしやの文壇に傑作として批評されたものであつたが、今よりして回想くわいさうすれば
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それも当世たうせいのお嬢さんではない。五六年来あとを絶つた硯友社けんいうしや趣味の娘である。
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「矢ツ張り、實感によつて、實感の眞劍勝負なる文藝でなければならない。」と思ふと、死んだ二葉亭ふたばてい硯友社けんいうしや派的な遊戲文學者、餘裕文學者等と相伍するを嫌つたのは、今更ら卓見たくけんであつたのだ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
つぎ硯友社けんいうしやるにいて、第二の動機だうきとなつたのは、思案外史しあんがいし予備門よびもん同時どうじ入学生にふがくせい相識あいしつたのです、其頃そのころ石橋雨香いしばしうかうつてました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
失敗しつぱいあり、喜怒きど有り哀楽あいらくありで、一部の好小説こうせうせつが出来るのです、でまた今後の硯友社けんいうしや如何いかにふのも面白おもしろい問題で、九年の平波へいはさをさしてわたし気運きうん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)