石狩いしかり)” の例文
石狩いしかりの野は雲低く迷ひて車窓より眺むれば野にも山にも恐ろしき自然の力あふれ、此処に愛なくじやうなく、見るとして荒涼、寂寞
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
渡島國凾舘住吉町をしまのくにはこたてすみよしてう後志しりべし國余市川村、石狩いしかり空知監獄署用地ソラチかんごくしようようち日高ひだか捫別舊會所もんべつきうくわいじようら等よりは石鏃せきぞくを入れたるまま土器どき掘出ほりだせし事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
汽車は西へ西へと走って、日の夕暮ゆうぐれ十勝とかち国境こっきょう白茅はくぼうの山を石狩いしかりの方へとのぼった。此処の眺望ながめは全国の線路にほとんど無比である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石狩いしかり千歳ちとせのどこかの村にウエピカンという若い美貌の酋長がいた。ある日いつものように山から降りてくると、川岸で大勢の男女がにぎやかに踊っている。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
花巻はなまきより十余里の路上には町場まちば三ヶ所あり。その他はただ青き山と原野なり。人煙の稀少きしょうなること北海道石狩いしかりの平野よりもはなはだし。或いは新道なるが故に民居の来たりける者少なきか。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なたの外には、何も利器を持たずして、単身熊の巣窟に入り、険を踏み、危を冒して、偃松はいまつの中に眠り、大雪山は言うに及ばず、化雲かうん岳を窮め、忠別ちゅうべつ岳を窮め、戸村牛トムラウシ岳を窮め、石狩いしかり岳を窮め
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)
北海道も石狩いしかり平野から奥へすすむと山国同様だが私はその地方は殆んど知らない。朝夕に津軽つがる海峡を眺めて暮してきたので、周囲の全部が山また山という風景に接すると異様な感じを与えられる。
石狩いしかり美国びくにといへる停車場の
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
石狩いしかり平原は、水田已にばんで居る。其間に、九月中旬まだ小麦の収穫をして居るのを見ると、また北海道の気もちにえった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石狩いしかりの野の汽車に読みし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
斯く出たらめをはがきに書いつけ、石狩いしかり鹿越駅しかごええきで関翁あて投函とうかんした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石狩いしかり空知郡そらちごほり
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
石狩いしかりみやこの外の
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)