眞實ほん)” の例文
新字:真実
それとも親故かと眞に成つて聞かれるにお力かなしく成りて私だとて人間でござんすほどに少しは心にしみる事もありまする、親は早くになくなつて今は眞實ほんの手と足ばかり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それとも親故おやゆゑかとしんつてかれるにおりきかなしくりて、わたしだとて人間にんげんでござんすほどにすこしはこゝろにしみることもありまする、おやはやくになくなつていま眞實ほんあしばかり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにぞにつけてこひしければでは如何いかばかりこゝろぼそくもかなしくもらうなれどおよばずながらわたしはちからになるこゝろあねおもふてよとたのむは可笑をかしけれど歳上としうへなれば其約束そのやくそく何時いつも/\ふことながらわたしは眞實ほん同胞はらからおもひますとなぐさめられてうれしげに御縁ごえんあればこそおやどもばかりかわたしまでめぐりめぐつてまた御恩ごをんうみともやまともくちには
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)