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目送
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みおく
ふりがな文庫
“
目送
(
みおく
)” の例文
ト言ったのが文三への挨拶で、昇はそのまま
起上
(
たちあが
)
ッて二階を降りて往った。跡を
目送
(
みおく
)
りながら文三が、さもさも苦々しそうに口の
中
(
うち
)
で
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
通学の道筋に当る町の若い女は眉山の
往帰
(
いきかえ
)
りを
楽
(
たのし
)
みにして、
目牽
(
めひ
)
き袖引き
目送
(
みおく
)
って人知れず
焦
(
こが
)
れていたものも少なくなかったという評判だった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
互いに
嬉
(
う
)
れしとも憐れとも思わぬようなり、紀州はそのまま行き過ぎて後振向きもせず、源叔父はその
後影
(
うしろかげ
)
角
(
かど
)
をめぐりて見えずなるまで
目送
(
みおく
)
りつ
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
貞之進は
魂
(
たまし
)
いを赤の絞り放しのしょい揚に
縋
(
すが
)
らせ、ぼんやり後影を
目送
(
みおく
)
って
口惜
(
くやし
)
いような気がする間に、あとから来た段通織の下着もまた起って行ったので
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
またひとしきり煙に和して勢いよく立ち上る火花の行くえを
目送
(
みおく
)
れば、
大檣
(
たいしょう
)
の上高く星を散らせる秋の夜の空は
湛
(
たた
)
えて、月に淡き銀河一道、
微茫
(
びぼう
)
として白く海より海に流れ入る。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
ト
自己
(
おの
)
が云う事だけを
饒舌
(
しゃべ
)
り立てて、人の
挨拶
(
あいさつ
)
は耳にも懸けず
急歩
(
あしばや
)
に通用門の方へと行く。その後姿を
目送
(
みおく
)
りて文三が肚の
裏
(
うち
)
で
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
と、病み衰えた顔に淋しい微笑を浮べ、
梶棒
(
かじぼう
)
の上ると共に互に黙礼を
換
(
かわ
)
して
訣
(
わか
)
れた。暫らくは涙ぐましく俥の跡を
目送
(
みおく
)
ったが、これが紅葉と私との最後の
憶出
(
おもいで
)
の深い会見であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
にじむも構わずさら/\と手紙を
認
(
したた
)
め、これを春泉へ持たせてやり、小歌に逢って返詞を
聞
(
きい
)
て来てくれと畳へ投出し、婢の後影を
目送
(
みおく
)
って自分で銚子へ手を懸けたが、貞之進が生れてから
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
恨めしそうに跡を
目送
(
みおく
)
ッて文三は暫らく
立在
(
たたずん
)
でいたが、やがて二階へ上ッて来て、まず手探りで
洋燈
(
ランプ
)
を点じて
机辺
(
つくえのほとり
)
に
蹲踞
(
そんこ
)
してから、さて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“目送”の意味
《名詞》
敬意を示しながら去る者を目で見送ること。
(出典:Wiktionary)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
送
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論