白絹しろぎぬ)” の例文
格好のいい芙蓉峰ふようほうが遥か彼方にそびえている。そのすそめぐって東から西へと、秋の太陽の光線を反射させて銀色に光る白川しらかわが、白絹しろぎぬさらしたようにゆったりと流れている。
そういって青竜王は、ジュリアをソッとその白絹しろぎぬの上に横たえた。——右の上膊じょうはくに、喰い切ったような傷口があって、そこから鮮かな血をいているのが発見されたのもこの時だった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
る/″\本國ほんごくからたづさへてた三百餘反よたん白絹しろぎぬをば、悉皆すつかり使用しようしてしまつたさうだ。
あやしさよとばかさとし燈下とうかうでみしが、ひろひきしは白絹しろぎぬ手巾はんけちにて、西行さいぎやう富士ふじけむりのうたつくろはねどもふでのあとごとにきたり、いよいよさとりめかしきをんな不思議ふしぎおもへば不思議ふしぎかぎりなく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、いきなり白絹しろぎぬの蒲団がパッとはねあがった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白絹しろぎぬをつかっているという贅沢ぜいたくさだった。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)