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甲武信
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こぶし
ふりがな文庫
“
甲武信
(
こぶし
)” の例文
甲武信
(
こぶし
)
の山脈の折り重なっている有名な嶮路で、不便は元よりのこと、めったに便りをもたらす飛脚の往来とてもない山地ですから
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田舎の家からは、朝な夕なに
甲武信
(
こぶし
)
三山を始め、
破風
(
はふ
)
雁坂
(
かりさか
)
から雲取に至る長大なる連嶺を眺めて、絶えず心を惹かれていたのに。
思い出す儘に
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
その笛吹川沿岸の村々を隔てて、
甲武信
(
こぶし
)
ヶ
岳
(
たけ
)
から例の大菩薩嶺、小金沢、笹子、
御坂
(
みさか
)
、富士の方までが、前面に
大屏風
(
おおびょうぶ
)
をめぐらしたように重なっています。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
甲武信
(
こぶし
)
の国境の薄白い山々が
劃
(
くぎ
)
っているのを眺めたりしていると、なかなか好いことは好い。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
南牧
(
みなみまき
)
、
北牧
(
きたまき
)
、
相木
(
あいき
)
などの村々がちらばっていまして、
金峯山
(
きんぷさん
)
、
国師
(
こくし
)
が
岳
(
たけ
)
、
甲武信
(
こぶし
)
が
岳
(
たけ
)
、
三国山
(
みくにやま
)
の高くそびえたかたちを望むこともでき、また、甲州にまたがった
八
(
や
)
つが
岳
(
たけ
)
の山つづきには
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
国司
(
こくし
)
岳とあるものは恐らく今の
所謂
(
いわゆる
)
甲武信
(
こぶし
)
岳
又
(
また
)
は
三宝
(
さんぽう
)
山を指したもので、他の少数の著書や地図と同じ誤謬に陥ったのであろう。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
たとえ
甲武信
(
こぶし
)
のような嶮しい所でも
怯
(
ひる
)
みはせぬが、どうも、奥秩父の方だけは……と誰も彼も、しりごみをいたしまして、御用に立つべき胆気の者がござりませぬので……
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はい、そのコブシというのは、つまり甲斐と武蔵と信濃の三国にまたがる
甲武信
(
こぶし
)
ヶ
岳
(
たけ
)
の方面かと存じますが、一方のハッコツが、どうしても見当がつきませんでございます。万用絵図を
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八つが岳の山つづきにある赤々とした
大崩壊
(
おおくずれ
)
の跡、
金峯
(
きんぶ
)
、
国師
(
こくし
)
、
甲武信
(
こぶし
)
、
三国
(
みくに
)
の山々、その高く
聳
(
そび
)
えた頂、それから名も知られない山々の遠く近く重なり合った姿が、私達の
眺望
(
ちょうぼう
)
の中に入った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
薬研
(
やげん
)
のような谷底を
甲武信
(
こぶし
)
岳の直下まで遡り得るのは、この種類の峡谷としては、恐らく東沢にのみ見られる特色であろう。
渓三題
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
事実、コブシは
甲武信
(
こぶし
)
に通ずるが、ハッコツは何の意味かわからない。さてコブシの方面へ分け入ったという人と、ハッコツへ向け出立したという者と、いずれがいずれかわからない。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
更に地質の上からいうと、秩父の奥山の主脈は大略
之
(
これ
)
を四つに分つことが出来よう。第一は西の小川山から
甲武信
(
こぶし
)
岳の附近に至る
金峰
(
きんぷ
)
、奥仙丈山塊を含むもの。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
それをまた右にしては
鶏冠山
(
けいかんざん
)
、
牛王院山
(
ごおういんざん
)
、
雁坂峠
(
かりざかとうげ
)
、
甲武信
(
こぶし
)
ヶ
岳
(
たけ
)
であります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私どもの秩父行は、明治四十二年五月の雲取山、十月の
甲武信
(
こぶし
)
岳登山から始まったと称してよい。
初めて秩父に入った頃
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
甲武信
(
こぶし
)
の下に山ごもりをしていた猟師の勘八がこの響きを聞いて
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
試に武甲信の三州界に
兀立
(
ごつりつ
)
する
甲武信
(
こぶし
)
岳の頂上に立って俯瞰すると、千曲、笛吹、荒川の三川が三本の糸を
抓
(
つま
)
み上げたように直ぐ脚の下まで上って来ているのを見るであろう。
奥秩父
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
右の釜沢は
其
(
その
)
名の如く滝と釜との連続で、
之
(
これ
)
を遡れば直接に
甲武信
(
こぶし
)
岳に登れる。
秩父の渓谷美
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
自分は曾て凌雲閣の上から、ふと
甲武信
(
こぶし
)
岳の幻影をこの中央の山に見た。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
甲武信
(
こぶし
)
岳から林道を栃本に出ようというのが第二案であった。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
甲
常用漢字
中学
部首:⽥
5画
武
常用漢字
小5
部首:⽌
8画
信
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“甲武信”で始まる語句
甲武信岳
甲武信ヶ岳