をす)” の例文
團右衞門方だんゑもんかた飼猫かひねこをすが一ぴき、これははじめからたのであるが、元二げんじ邸内ていない奉公ほうこうをしてから以來いらい何處どこからたか、むく/\とふとつた黒毛くろげつや天鵝絨びろうどのやうなめすひと
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
息子むすこ、亭主、をす、人生観上の現実主義者、気質上のロマン主義者、哲学上の懐疑主義者とう、等、等、——それは格別差支さしつかへない。しかしその何人かの僕自身がいつも喧嘩するのに苦しんでゐる。
僕は (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
千兩箱が三つといふと精々十五六貫ですが、此暑い盛りに、三里の道を水も呑ませずに行くんだから、これ位のでなきあ安心がなりません。——ドウドウ、二本松生れの五歳のをすで、ドウ、ドウ
赤黒きタンクの如く並びゐる河馬のめすをすわれは知らずも
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
をすの羊は悲しげに廣間ひろまをさして入り來りぬ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)