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爪弾
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つまびき
ふりがな文庫
“
爪弾
(
つまびき
)” の例文
旧字:
爪彈
灯影を縫ってどこかの二階からか、やるせなさそうな
爪弾
(
つまびき
)
の小唄が、一散走りのその駕籠を追いかけてなまめかしく伝わりました。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
一人が柱にもたれて
爪弾
(
つまびき
)
の三味線に他の一人を呼びかけて、「おやどうするんだっけ。二から這入るんだッけね。」と
訊
(
き
)
く。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しいんとしたなかに、どこからか、
爪弾
(
つまびき
)
の音が伝わってきて、夜更けを告げる。中庭で、笹の葉がさらさらと鳴る……。でも吉乃は、明るかった。
操守
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
なるほど娑婆に居る時に
爪弾
(
つまびき
)
の
三下
(
さんさが
)
りか何かで心意気の一つも聞かした事もある 聞かされた事もある。忘れもしないが自分の誕生日の夜だった。
墓
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
そこで様子をうかがえば、お綱はたしかにこの
荒屋敷
(
あれやしき
)
の中にいる。さっき、チラと洩れてきた
爪弾
(
つまびき
)
の
音
(
ね
)
でも知れる。だが、旅川周馬とかいう奴、一体留守なのか、いるのだろうか。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
爪弾
(
つまびき
)
を遣る、
洗髪
(
あらいがみ
)
の意気な
半纏着
(
はんてんぎ
)
で、晩方からふいと
家
(
うち
)
を出ては帰らないという風。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二弦
(
にげん
)
の手軽なバラライカで、その音も
床
(
ゆか
)
しい
爪弾
(
つまびき
)
を聴きに集まる、胸や
首筋
(
くびすじ
)
の白い娘たちに
眴
(
めくば
)
せをしたり、口笛を吹いたりする、あの
二十歳
(
はたち
)
前後のおしゃれで
剽軽
(
ひょうきん
)
な若者たちの
装飾
(
かざり
)
でもあり
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
(だが、これは、先刻から私の聞いて来た音とは違う。私の道々聞いて来たのは、劇場のそれのような本式の賑かなのではなく、余り慣れない手が独りでポツンポツンと
爪弾
(
つまびき
)
していたような音だった)
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
涙しとしと
爪弾
(
つまびき
)
の歌のこころにちりかかる。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
また
途切
(
とぎれ
)
がちな
爪弾
(
つまびき
)
の
小唄
(
こうた
)
は見えざる
河心
(
かわなか
)
の
水底
(
みなそこ
)
深くざぶりと打込む夜網の音に
遮
(
さえぎ
)
られると、厳重な
御蔵
(
おくら
)
の構内に響き渡る夜廻りの拍子木が夏とはいいながら
夜
(
よ
)
も早や
初更
(
しょこう
)
に近い露の冷さに
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
爪
常用漢字
中学
部首:⽖
4画
弾
常用漢字
中学
部首:⼸
12画
“爪”で始まる語句
爪
爪先
爪立
爪尖
爪繰
爪牙
爪先上
爪紅
爪音
爪皮