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溝川
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みぞがわ
ふりがな文庫
“
溝川
(
みぞがわ
)” の例文
生
(
なま
)
暖かく、
朧
(
おぼ
)
ろに曇った春の宵。とある裏町に濁った
溝川
(
みぞがわ
)
が流れている。そこへどこかの貧しい女が来て、盥を捨てて行ったというのである。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
煉瓦塀
(
れんがべい
)
や小さな
溝川
(
みぞがわ
)
や
楓
(
かえで
)
の樹などが落着いた
陰翳
(
いんえい
)
をもって、それは彼の記憶に残っている昔の郷里の街と似かよってきた。
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その
草叢
(
くさむら
)
の中には、所々に小さな池や
溝川
(
みぞがわ
)
のようなものもあって、
釣
(
つり
)
などをしている人も見えた。
今日
(
こんにち
)
では郡部へ行っても、こんな風情は容易に見られまい。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夫人 お待ちなさい、
爺
(
おじ
)
さん。(決意を示し、
衣紋
(
えもん
)
を正す)私がお前と、その
溝川
(
みぞがわ
)
へ流れ込んで、十年も百年も、お前のその朝晩の望みを叶えて上げましょう。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
神札
(
ふだ
)
だの、お水だの、仏壇だの、なんだの、すべては彼の眼に
忌
(
いま
)
わしく見える物を、一抱えも持って行って、
溝川
(
みぞがわ
)
へ
芥
(
ごみ
)
のように打ちすててしまった時に、平次郎は
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
三門
(
みかど
)
の町を流れる
溝川
(
みぞがわ
)
の水も物洗うには、もう冷たくなり過ぎているであろう。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
山上樹木
欝葱
(
うっそう
)
たる上に銀河の白くかかりたる処、途上に人と
咄
(
はな
)
しながらふと仰向けば銀河の我首筋に落ちかかる処、天の川を大きく見ず、かへつて二、三尺ほどの
溝川
(
みぞがわ
)
の如く見立てたる処
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
いつ見てもそうときまっていて、その顔つきには表情の変化が現われて来ない。後から聞けば、その叔母はどうしたわけか結婚して間もなく、裏の
溝川
(
みぞがわ
)
に身を投げた。気がふれたのだという。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
溝川
(
みぞがわ
)
に何とる人や五月雨
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
かつ
溝川
(
みぞがわ
)
にも、井戸端にも、傾いた軒、崩れた壁の
小家
(
こいえ
)
にさえ、
大抵
(
たいてい
)
皆、
菖蒲
(
あやめ
)
、
杜若
(
かきつばた
)
を植えていた。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それ、
溝川
(
みぞがわ
)
だぞ。
陥
(
はま
)
るな」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
溝
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
“溝”で始まる語句
溝
溝板
溝渠
溝泥
溝鼠
溝口
溝端
溝際
溝石
溝壑