トップ
>
満潮
>
みちしお
ふりがな文庫
“
満潮
(
みちしお
)” の例文
旧字:
滿潮
そのときには、この
満潮
(
みちしお
)
の玉を取り出して、おぼらしておあげなさい。この中から水がいくらでもわいて出ます。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
春の生理をみなぎらした川筋の
満潮
(
みちしお
)
が、石垣の
蠣
(
かき
)
の一つ一つへ、ひたひたと
接吻
(
くちづけ
)
に似た音をひそめている。
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
築地
(
つきじ
)
の
浅野家
(
あさのけ
)
の上屋敷は、ぐるりと川に添っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
満潮
(
みちしお
)
になったら、みんなでその綱をひっぱれば、船はひとりで出るみてえにすうっと出るよ。さあさあ、坊や、用意するんだ。船着場が近いのに、船足が速過ぎるぞ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
月や太陽が絶えず東から西へ廻るにつれて地球上の海面の高く
膨
(
ふく
)
れた
満潮
(
みちしお
)
の部分と低くなった
干潮
(
ひきしお
)
の部分もまた大体において東から西へ向かって
大洋
(
おおうみ
)
の上を進んで行きます。
瀬戸内海の潮と潮流
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
裾
(
すそ
)
も近ければ頂もずっと高い、かぶさる程なる山を見つつ、胴ぶくれに広くなった、湖のような中へ、
他所
(
よそ
)
の別荘の
刎橋
(
はねばし
)
が、
流
(
ながれ
)
の
半
(
なかば
)
、岸近な
洲
(
す
)
へ掛けたのが、
満潮
(
みちしお
)
で板も
除
(
の
)
けてあった
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その巌から人の
脊丈
(
せだけ
)
を三つ
継
(
つ
)
いだ位離れた海の中に、
満潮
(
みちしお
)
の時には隠れて、
干潮
(
ひしお
)
の時に黒犬の頭のような頭だけだす
礁
(
はえ
)
があるが、そこに
姝
(
きれい
)
な
女子
(
おなご
)
が、雪のような白い胸を出しているじゃないか
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
真夜中の江戸は、うそのようにヒッソリ
閑
(
かん
)
としています。折りから
満潮
(
みちしお
)
とみえまして、ザブーリ、ザブリ、橋
杭
(
ぐい
)
を洗う水音のみ、寒々とさえわたって、杭の根に、真白い水の花がくだけ散っている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
命はそのときにはさっそく
満潮
(
みちしお
)
の玉を出して、大水をわかせてお防ぎになりました。おあにいさまは、たんびにおぼれそうになって、助けてくれ、助けてくれ、とおっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
二つ目の浜の石屋が
方
(
かた
)
へ、暮方仏像をあつらえに
往
(
い
)
った帰りを、
厭
(
いや
)
な、不気味な、忌わしい、
婆
(
ばば
)
のあらもの屋の前が通りたくなさに、ちょうど
満潮
(
みちしお
)
を
漕
(
こ
)
げたから、
海松布
(
みるめ
)
の流れる岩の上を
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがては、いま安土に
醗酵
(
はっこう
)
しつつある生気
溌剌
(
はつらつ
)
たる新文化が、東国をも
陸奥
(
みちのく
)
の果てをも、また北陸や中国九州までも、
満潮
(
みちしお
)
の
干潟
(
ひがた
)
を
浸
(
ひた
)
してゆくように、余すところなく
漲
(
みなぎ
)
ってゆくであろう。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
満潮
(
みちしお
)
の玉、
干潮
(
ひしお
)
の玉
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
“満潮”の意味
《名詞》
満 潮(まんちょう、みちしお)
(まんちょう)潮が満ちて海面が最も高くなる現象。
みちしお 参照。
(出典:Wiktionary)
満
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
“満潮”で始まる語句
満潮時