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湧
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わき
ふりがな文庫
“
湧
(
わき
)” の例文
水車の音が単調に聞えて、
涙含
(
なみだぐ
)
まるるような物悲しさが、快活に働いたり、笑ったりして見せているお島の心の底に、しみじみ
湧
(
わき
)
あがって来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
姫様
(
ひいさま
)
から、御坊へお引出ものなさる。……あの、
黄金
(
こがね
)
白銀
(
しろがね
)
、米、
粟
(
あわ
)
の
湧
(
わき
)
こぼれる、
石臼
(
いしうす
)
の
重量
(
おもみ
)
が響きますかい。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは或る信心ぶかい二人の女人によって建てられたのだというものもあったし、それゆえその近くの
巌間
(
いわま
)
から清冽な水の
湧
(
わき
)
出るのを「尼の泉」と唱えるなどともいった。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
趣味を
貪
(
むさぼ
)
っては飽くことを知らぬという調子であったから、日夕の飲食にも始終趣向趣向といって居った、まして二、三人の会食でもやるとなれば、趣向問題が
湧
(
わき
)
返ったものである
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私は表へ飛出して、夢中で雪道をすたすたと歩いて、何の買物をしたかも分らない位。風呂敷包を
抱〆
(
だきしめ
)
て、口惜しいと腹立しいとで震えました。主人を
卑
(
けな
)
すという心は一時に
湧
(
わき
)
上る。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
そんな優しい心持ちの
湧
(
わき
)
だすのを老伯自身さえ不思議に思ったほどであろう。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
恨
(
うらみ
)
も
憎
(
にくみ
)
も火上の氷、思わず珠運は
鉈
(
なた
)
取落
(
とりおと
)
して、恋の叶わず
思
(
おもい
)
の切れぬを
流石
(
さすが
)
男の男泣き、一声
呑
(
のん
)
で身をもがき、
其儘
(
そのまま
)
ドウと
臥
(
ふ
)
す途端、ガタリと何かの倒るゝ音して天より
出
(
いで
)
しか地より
湧
(
わき
)
しか
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
蛆虫
(
うじむし
)
の黒きかたまり
湧
(
わき
)
出でゝ
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
肉体の苦痛を
堪
(
た
)
え忍ばされたあとでは、そうした男に対する
反撥心
(
はんぱつしん
)
が、彼女の体中に
湧
(
わき
)
かえって来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いたるところでの成功の噂が伝わって、人気を
湧
(
わき
)
立たせた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
湧
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“湧”を含む語句
湧出
湧水
湧上
湧起
湧然
湧返
洶湧
湧立
坌湧
湧井
小湧谷
湧金門
湧井将監
飛瀑湧泉
群湧
立湧
石湧
岩湧山
湧金
常湧
...