海邊かいへん)” の例文
新字:海辺
此邊このへん熱帶國ねつたいこくつねとて、年中ねんちうながいので、食後しよくご時間じかんばかりは大佐たいさをはじめ一同いちどう海邊かいへんでゝ戸外運動こぐわいうんどうふけるのである。
鹹水かんすい貝塚は元來ぐわんらい海邊かいへんに在るべきものなれど年月のつに從ひ土地隆起とちりうきの爲、海水退きて其位置比較的ひかくてき内地に移る事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
私は唯だ、手も握らず頬ずりもしなかつた最初の戀よりも、其れから二年たつた十八の夏の、旅行した海邊かいへんの松原で宿屋の娘と初めて禁制の果實を摘んだ。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
もよほしける然るに其夜こくとも覺敷頃おぼしきころかぜもなくして燭臺しよくだい燈火ともしびふツとえければ伊賀亮不審ふしんに思ひ天文臺てんもんだいのぼりて四邊あたり見渡みわたすに總て海邊かいへんは數百そうの船にて取圍とりかこかゞりたき品川灣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
言放いひはなつて、英風えいふう颯々さつ/\逆浪げきらういわくだくる海邊かいへんの、ある方角ほうがくながめた。