流盻しりめ)” の例文
打悄うちしおれた、残んの嫁菜花よめなの薄紫、浅葱あさぎのように目に淡い、藤色縮緬ちりめんの二枚着で、姿の寂しい、二十はたちばかりの若い芸者を流盻しりめに掛けつつ
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何処どこまでもひとしのいだ仕打しうち薬売くすりうり流盻しりめにかけてわざとらしうわし通越とほりこして、すた/\まへて、ぬつと小山こやまのやうなみち突先とつさき蝙蝠傘かうもりがさしてつたが、そのまゝむかふへりてえなくなる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老爺ぢい盤面ばんめん差覗さしのぞいて、坊主ばうず流盻しりめいさんだ顔色かほつき
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じろりと流盻しりめに見ていつた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
流盻しりめけつゝ老爺ぢい
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)