水際みぎは)” の例文
我は斯くわが歩履あゆみをわが師のたのもしきあゆみにあはせてかゝる雲をいで、はや低き水際みぎはに死せる光にむかへり 一〇—一二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
水際みぎはの沙の珍らしく白い中に種種の美しい色の小石が散在し、その中に瑪瑙が交つてゐるのは、数年前に一遊した佐渡の相川の浜のやうである。
黯青あんせいに光る空。白く光る水。時々ポチヤンと音して、魚がはねる。水際みぎはの林では、宿鳥ねどりが物に驚いてがさがさ飛び出す。ブヨだか蚊だか小さな聲で唸つて居る。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
けふすぎて水際みぎはに咲けるべこにやもいかでか風にそよぎ泣くらむ
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
お池にはいづくにも見る影ながら龜の子が搖る水際みぎはさざなみ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
遠方をちかたに星の流れし道と見し川の水際みぎはに出でにけるかな
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
君によき水際みぎはや春の鳥も啼く細き柳は傘にかかりぬ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
してはじめて靈夢れいむかうふり、その拂曉あかつき水際みぎはたち
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
石のきざはしくづれ落ち、水際みぎはに寂びぬ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
水際みぎは 真近く 砂 を 握る。
地なる響 (新字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
ろと水際みぎはにつくばんで
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
匂ひしめる水際みぎは
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
グイッツァンテとブルッジアの間なるフィアンドラびとこなたに寄せくるうしほを恐れ海を走らしめんため水際みぎはをかため 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
東の肩からあるか無いかの煙が立上のぼつて居る。余が明治三十六年の夏來た頃は、汽車はまだ森までしかかゝつて居なかつた。大沼公園にも粗末な料理屋が二三軒水際みぎはに立つて居た。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
お池にはいづくにも見る影ながら亀の子が揺る水際みぎはさざなみ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しのびに君よ、この岸かの水際みぎは
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
水際みぎはに白き小波さざなみ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
アダモの惡しきすゑは示しにしたがひ、あひついで水際みぎはをくだり、さながら呼ばるゝ鳥に似たり 一一五—一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
山門やまとは丘も水際みぎは櫨群はじむらのたわわのみどりしたたりにけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
せゆく水際みぎはを君とわれ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
夏は水際みぎはの花あやめ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)