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水藻
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みずも
ふりがな文庫
“
水藻
(
みずも
)” の例文
山の上にある麗人国も、谷の底にある獣人国も、見る見る彼女の
背後
(
うしろ
)
になった。
水藻
(
みずも
)
水泡
(
みなわ
)
の住んでいる双玉の原も
背後
(
しりえ
)
になった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
咲き揃った
水藻
(
みずも
)
の花は二人の足もとを
後
(
うしろ
)
へ後へとなびいてゆきました。御殿の屋根は薔薇色に、または真珠色に輝きながら、水の底の方へ小さく小さくなってゆきました。
ルルとミミ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
とだけん
(著)
その晩は月は何処の
森
(
もり
)
の
端
(
は
)
にも見えなかった。深く
澄
(
すみ
)
わたった大気の底に、
銀梨地
(
ぎんなしじ
)
のような星影がちらちらして、
水藻
(
みずも
)
のような
蒼
(
あお
)
い
濛靄
(
もや
)
が、一面に地上から
這
(
はい
)
のぼっていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夕陽を受けた深海の
水藻
(
みずも
)
のような黒髪、真っ赤な
頸
(
くび
)
、肩から胴腰から下は水の上に浮いて、トロリとした
凝脂
(
あぶら
)
がそのまま、赤い水に溶け込んでしまいそうにも見えるのでした。
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さっき、自分がいた堂の濡れ縁の前に、一枚の
莚
(
むしろ
)
を見た。——莚の上には、
水藻
(
みずも
)
のような黒髪をさっと束ねて、朝の光にも耐えぬかのごとく俯っ伏していた、うら若い女房が見えた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それこそ
蜘蛛
(
くも
)
の巣のように縦横無尽に残る
隈
(
くま
)
なく駈けめぐり、清冽の流れの底には
水藻
(
みずも
)
が青々と生えて居て、家々の庭先を流れ、縁の下をくぐり、台所の岸をちゃぷちゃぷ洗い流れて
老ハイデルベルヒ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
春吉君は、いつも
水藻
(
みずも
)
のような石太郎が、こんなにはっきり、ちくしょうっという日本語を使ったこともふしぎだったし、こんなにすばしこい
動作
(
どうさ
)
ができるということも不可解な気がした。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
死体は鯨の
脂肪肉
(
あぶらみ
)
かアルコール漬の胎児の標本かというような白けた冴えぬ色をし、わずか耳の上に残った五六本の髪の毛が眼玉の抜けた眼窩に入りこみ、耳の穴から青々と
水藻
(
みずも
)
が萌えだしている。
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そうして若殿頼正は、今夜もこの家へ引き寄せられ、美しい娘の
水藻
(
みずも
)
に化けた百歳の
姥
(
おうな
)
久田のために
誑
(
たぶら
)
かされているらしい。しかも若殿頼正の
生命
(
いのち
)
は寸刻に
逼
(
せま
)
っているらしい。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
姫は、
水藻
(
みずも
)
の中の月のような白い顔と黒髪とを、かすかに、横に振るだけである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一人の乙女は
水泡
(
みなわ
)
といい、もう一人の乙女は
水藻
(
みずも
)
と云った。彼女らは珍らしい
双生児
(
ふたご
)
であった。そうして彼女らは先祖代々、ここの神殿の祭司たるべく、運命づけられている人達であった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「産まれは
京都
(
みやこ
)
、名は
水藻
(
みずも
)
、恐ろしい
人買
(
ひとか
)
いにさらわれまして……」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こう云ったのは
水藻
(
みずも
)
であった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「はい、
水藻
(
みずも
)
と申します」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“水藻”の意味
《名詞》
水中で育つ藻類。
(出典:Wiktionary)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
藻
常用漢字
中学
部首:⾋
19画
“水”で始まる語句
水
水際
水底
水溜
水上
水面
水晶
水嵩
水車
水瓶