“みずも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
水藻58.8%
水面41.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その晩は月は何処のもりにも見えなかった。深くすみわたった大気の底に、銀梨地ぎんなしじのような星影がちらちらして、水藻みずものようなあお濛靄もやが、一面に地上からはいのぼっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
夕陽を受けた深海の水藻みずものような黒髪、真っ赤なくび、肩から胴腰から下は水の上に浮いて、トロリとした凝脂あぶらがそのまま、赤い水に溶け込んでしまいそうにも見えるのでした。
なかでも、ちいさな子供こどもたちは、毎日まいにちれをなして、水面みずもかび、太陽たいようらす真下ましたを、縦横じゅうおうに、おもいのままに、金色きんいろのさざなみをてておよいでいました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
光りはほり水面みずもにまでも散りこぼれて、二本松十万石の霞ヶ城は、いち面に只ひと色の青だった。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)