水深すいしん)” の例文
汲み上げた水が恐ろしく泥臭いのも尤、いかりを下ろして見たら、渇水かっすいの折からでもあろうが、水深すいしんが一尺とはなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
救助きうじよもとむる難破船なんぱせん眞似まねをしたのは、あのへん海底かいていなにかの理由りいう水深すいしん左程さまでふかからず、弦月丸げんげつまる撃沈げきちんしてのち潜水器せんすいきしづめるに便利べんりかつたためではあるまいか
あれから、何度も船を出して、鈎縄かぎなわを下ろしてみたり、継竿つぎざおに引っ掛を付けて、探ってみたりしたが、場所は、生憎あいにくと思いのほか水深すいしんがあって、そんな楽な手段では揚りそうもなかった。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくし印度洋インドやう海底かいてい有樣ありさま精密くわしくはらぬがこのやう全面積ぜんめんせき二千五百※方哩にせんごひやくまんほうマイルふかところ底知そこしれぬが、處々ところ/\大暗礁だいあんせうまた海礁かいせうよこたはつてつて、水深すいしん五十米突メートルらぬところもあるさうな。
満載した船ならば、かならず船脚ふなあしが深く沈んでいなければならないのに、いま眼の前に来る船はすべて水深すいしん軽く、さして重量を積んでいるとは見えません。——これいつわりの証拠ではありませんか
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)