トップ
>
柳原
>
やなぎわら
ふりがな文庫
“
柳原
(
やなぎわら
)” の例文
惆然
(
ちゅうぜん
)
として牛の歩みを運ぶ平次の人間らしさを、八五郎は黙って見やるのでした。
柳原
(
やなぎわら
)
の道には夏の陽が一パイに射しておりました。
銭形平次捕物控:055 路地の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見よ不正確なる江戸絵図は上野の如く桜咲く処には自由に桜の花を描き
柳原
(
やなぎわら
)
の如く柳ある処には柳の糸を添え得るのみならず
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
師走初めの冷たい風が、向う
柳原
(
やなぎわら
)
から神田川の水をかすって、ヒュッ——と町の横丁へまで入ってくる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一つは
本郷追分
(
ほんごうおいわけ
)
から
谷中
(
やなか
)
までひと舐めさ、こっちはおめえ小石川から出たやつが上野へぬけてよ、北風になったもんで湯島から
筋違橋
(
すじかいばし
)
、向う
柳原
(
やなぎわら
)
、浅草は
瓦町
(
かわらちょう
)
から
茅町
(
かやちょう
)
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その日は風の多い日で、半蔵らは
柳原
(
やなぎわら
)
の土手にかかるまでに何度かひどい
砂塵
(
すなぼこり
)
を浴びた。
往
(
い
)
きには追い風であったから、まだよかったが、
戻
(
もど
)
りには向い風になったからたまらない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
そのころの
柳原
(
やなぎわら
)
で、日露戦争後の好景気で、
田舎
(
いなか
)
から出て来て方々転々した果てに、一家はそこに落ち着き、小僧と職人四五人をつかって、靴屋をしていたのだったが、銀子が尋常を出る時分には
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「此処は東京なら
日蔭町
(
ひかげちょう
)
か
柳原
(
やなぎわら
)
です」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
柳原
(
やなぎわら
)
髭
(
ひげ
)
すり
閻魔
(
えんま
)
境内にて一人。
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
柳原
(
やなぎわら
)
の
福寿狸
(
ふくじゅだぬき
)
柳森神社
江戸の玩具
(新字旧仮名)
/
淡島寒月
(著)
本所
柳原
(
やなぎわら
)
の
新辻橋
(
しんつじばし
)
、
京橋八丁堀
(
きょうばしはっちょうぼり
)
の
白魚橋
(
しらうおばし
)
、
霊岸島
(
れいがんじま
)
の
霊岸橋
(
れいがんばし
)
あたりの眺望は堀割の水のあるいは分れあるいは
合
(
がっ
)
する処、橋は橋に接し、流れは流れと
相激
(
あいげき
)
し
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
柳原
(
やなぎわら
)
の土手下、ちょうど
御郡代
(
おぐんだい
)
屋敷前の
滅法
(
めっぽう
)
淋しいところに
生首
(
なまくび
)
が一つ転がっておりました。
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
店をだし初めた
古着屋
(
ふるてや
)
が、戸板だの、
吊
(
つる
)
しん棒を、
黄昏
(
たそがれ
)
の
柳原
(
やなぎわら
)
土手に、並べ初めている。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は右を見、左を見して、新規にかかった石造りの
目鏡橋
(
めがねばし
)
を渡った。
筋違見附
(
すじかいみつけ
)
ももうない。その辺は
広小路
(
ひろこうじ
)
に変わって、
柳原
(
やなぎわら
)
の土手につづく青々とした柳の色が往時を語り顔に彼の目に映った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
東都
柳原
(
やなぎわら
)
の土手には神田川の流に臨んで、
筋違
(
すじかい
)
の
見附
(
みつけ
)
から
浅草
(
あさくさ
)
見附に至るまで
毿々
(
さんさん
)
として柳が
生茂
(
おいしげ
)
っていたが、東京に改められると間もなく堤は取崩されて今見る如き赤煉瓦の長屋に変ってしまった。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
柳
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“柳原”で始まる語句
柳原河岸
柳原堤
柳原町
柳原通
柳原仕込
柳原土手
柳原奉書
柳原封疆
柳原極堂
柳原燁子